葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

2022-01-01から1年間の記事一覧

私は「令和ファシズム体制」下を「自由な個人」として生き延びることができるだろうか。

「自由な個人」として生きることを許さない、そんな「空気」が日本社会の隅々まで支配しつつあることをひしひしと肌で感じるようになりました。 「厳しくも慈悲深い天皇の国」の政府は、「ヒノマル」の旗の下、「アメとムチ」で人民を「国民」という名の臣民…

政府とマスメディアは「『防衛力』の抜本的強化」問題の論点をはぐらかすな。

岸田政権がめざす「『防衛力』の抜本的強化」について、「防衛力の抜本的強化には賛成だが、そのための増税には反対である」という論調が主流を占めています。しかし、かかる論調は、岸田政権がめざす「『防衛力』の抜本的強化」問題の本質を履き違えたもの…

憲法に違反する「反撃能力」の保有に断固反対する。

自民・公明 “安保3文書”案で合意 「反撃能力」保有を明記 | NHK | 自衛隊 www3.nhk.or.jp 政府が「反撃能力」と呼ぶ敵基地攻撃能力の保有について、おそらく国民の多くは「日本が外国から武力攻撃を受けた場合に反撃する能力の保有」だと思っているでしょう…

表現の自由は、「放言の自由」でも「批判されない特権」でもない。

表現の自由が人権として憲法で保障されているのは、単に「自由」だから保障されているのではありません。表現の自由が人権として憲法で保障されているのは、人権として憲法で保障する価値があるからです。 表現の自由には、二つの大切な価値があります。一つ…

「防衛費」増額の本質的な問題は何か

防衛費増額の財源 自民会合で「増税は唐突」批判意見相次ぐ | NHK | 自衛隊 www3.nhk.or.jp 岸田政権がめざす「防衛力」の抜本的強化に伴う「防衛費」増額に関して、財源をどうするかという問題が盛んに議論されています。 たしかに、財源確保のために増税さ…

天皇制は、民主主義と敵対的に矛盾する。

右翼のみならず「リベラル派」の中にも、天皇制は民主主義と両立しうると考える人が、少なからずいるようです*1。 現に天皇制は、民主主義国家を標榜する戦後の日本に「象徴天皇制」という形で存在し、国民の多数がそれを支持しています*2。しかし、それでも…

「両国の合意により日本は韓国を併合した」という言説は欺瞞である。

kotobank.jp いわゆる「韓国*1『併合』」(1910年)について、日本では「両国の合意により日本は韓国を併合した」という言説が主流です。かかる言説が日本で主流を占めているのは、つまるところ日本の韓国に対する植民地支配が天皇の名のもとに行われたもの…

「外国人の人権保障」の問題の本質

外国人受け入れ拡大から考える 問題は日本の人権保障 憲法季評:朝日新聞デジタル www.asahi.com 上掲のコラムで、名古屋大学の松尾陽教授は次のように述べています。 外国人の人権保障を厚くすべきだという意見に対しては、日本人の権利も大切ではないかと…

「外国人参政権」を実現することは、完全な民主主義を実現することである。

「外国人参政権」に反対する人たちは、「外国人参政権」が国民主権あるいは民主主義に反すると主張します。 国民主権における「国民」が、もし日本国籍者に限られるとすれば、「外国人参政権」は国民主権に反することになるでしょう。しかし、国民主権の本質…

「民度」という植民地主義的な言葉を平気で使う人たち

「民度」という言葉があります。この言葉を悪気なく使う人は少なくありませんが、私は「民度」という言葉に抵抗感を覚えます。 「民度」という言葉は、よく他民族蔑視の文脈で「○○人は民度が低い」というふうに、あるいはその裏返しである自民族の優位性を誇…

「共産主義は民主主義と対立する」という誤解

ヨーロッパに幽霊が出る――共産主義という幽霊である。ふるいヨーロッパのすべての強国は、この幽霊を退治しようとして神聖な同盟を結んでいる、法皇とツァー、メッテルニヒとギゾー、フランス急進派とドイツ官憲。 カール・マルクス,フリードリヒ・エンゲル…

朝鮮学校生徒へのヘイトクライムは、「北朝鮮によるミサイル発射の影響」によるものではなく、日本社会の在日コリアン差別や朝鮮悪魔視の影響によるものである。

朝鮮学校生徒への暴行など相次ぐ ヘイトクライム防止を法務省に要請:朝日新聞デジタル www.asahi.com 朝鮮学校生徒への卑劣なヘイトクライムについて、これを「北朝鮮によるミサイル発射の影響」によるものだと言うのは正しくありません。 ヘイトクライムは…

「防衛力強化」に名を借りた日本のさらなる軍事力強化に断固反対する。

規模・財源、反撃能力が焦点 防衛力強化、18日から与党協議:時事ドットコム www.jiji.com 日帝・岸田政権は、「日本周辺の安全保障環境の悪化」を理由に「防衛力」を抜本的に強化する方針を打ち出しています。しかし、はたしてそれは本当に「防衛力」の強…

踏みつけられている人たちの闘いを嗤う「踏みつけている側」の者たち

ひろゆき氏「事実伝えると怒る人たちがいっぱい…」 沖縄タイムス記者らとネット番組出演 座り込み議論 平行線に | 沖縄タイムス+プラス www.okinawatimes.co.jp 踏みつけられている人たちの闘いを嗤う者たちがいます。彼らがそんなふうに踏みつけられている…

ロシアによるウクライナ4州「併合」を非難する日本人が忘れてはならない自国の「負の歴史」

www.mofa.go.jp もちろん、ロシアによるウクライナ4州「併合」は断じて許されない暴挙ですし*1、日本人がそれを非難してはならないと言うつもりは毛頭ありません。しかし、ロシアの暴挙を非難する日本人が決して忘れてならないのは、今から112年前(1910年…

われわれ人民の人権が守られているのは「国家や為政者のおかげ」ではない。

日本国憲法第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。 私たち…

ヘイトクライムの「共犯者」たち

民団徳島事務所に脅迫文か 事件の可能性、県警捜査 - 産経ニュース このようなヘイトクライムを断じて許してはならないことは言うまでもありません。しかし、それだけでは決してヘイトクライムをなくすことはできません。 在日コリアン集住地区への放火とい…

安倍氏の「国葬」に断固として反対する。

安倍元首相「国葬」費用 総額16億6000万円程度の概算公表 政府 | NHK政治マガジン www.nhk.or.jp 「国葬」が法的根拠を欠くものであることや「国葬」にかかる費用が高額であることも、もちろん問題です。しかし、そういったことだけが問題なのでは決してあり…

「旧統一教会」批判を民族差別や植民地主義の「免罪符」にしてはならない。

いわゆる「旧統一教会問題」*1について、ネット右翼や一部のリベラル派は、「天皇をサタン呼ばわりする韓国の反日カルト教団が日本を食い物にしている」と言います。 「旧統一教会」に詳しい識者によれば、「植民地時代の民族的恨みを解くこととして、日本で…

生活保護制度における国籍差別に断固として反対する。

世界人権宣言 第二十二条 すべて人は、社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利…

日本は「台湾有事」に「巻き込まれる」のではない。

自民・麻生副総裁“「台湾有事」起きた場合、日本も戦争に巻き込まれる可能性ある”|日テレNEWS news.ntv.co.jp たしかに、「台湾有事」が起きた場合、日本はそれに参戦するかもしれません。しかし、日本が「台湾有事」に「巻き込まれる」というのは間違いで…

天皇制の問題は、人民に対する差別・抑圧という人権問題である。

「リベラル」派の中には、天皇制について「国民の大多数が天皇制を支持している*1のだから、天皇制は維持されるべきである」と考える人も少なからずいるでしょう。 たしかに、天皇の地位が「主権の存する日本国民の総意に基く」(日本国憲法第1条*2)ことに…

日韓両国の保守政権が志向する「日韓関係の改善」と日韓の人民同士の友好親善は、似て非なるものである。

尹大統領・岸田首相、「関係改善」に同意…韓米日軍事協力へとつながるのか : 政治•社会 : hankyoreh japan japan.hani.co.kr 日韓の人民同士の友好親善を希求する日本人の中には、日韓両国の保守政権が志向する「日韓関係の改善」によって日韓の人民同士の友…

徴用工問題について論じた朝日新聞の社説を読んで思うこと

(社説)尹大統領会見 日韓の行動で打開を :朝日新聞デジタル www.asahi.com 上掲の日帝強制動員問題(徴用工問題)について論じた朝日新聞の社説ですが、私はこの社説を肯定的に評価することができません。これが日本を代表する「リベラル紙」の社説か、と…

「戦後日本」は、何を反省し、何を反省しなかったか。

終戦77年、不戦の誓い新た 天皇陛下「深い反省」―コロナで3年連続縮小・戦没者追悼式:時事ドットコム www.jiji.com 「終戦の日」あるいは「敗戦の日」と呼ばれる8月15日*1、日本では「先の大戦への反省」が語られます。日本政府も、「戦後日本」が「先の…

「長崎平和宣言」は、軍艦島の朝鮮人・中国人強制労働を忘れるための免罪符ではない。

「核兵器、持っていても使われないは幻想」長崎平和宣言、田上市長 | 毎日新聞 mainichi.jp 長崎平和祈念式典で田上富久・長崎市長が読み上げた「長崎平和宣言」は、もちろん大変素晴らしいものです。しかるに、このような素晴らしい平和宣言を読み上げた田…

日本人が「ヒロシマ」を記憶することは、「廣島」を忘れるための免罪符ではない。

日本人が「ヒロシマ」すなわち広島の原爆被害を記憶することは、もちろん大切です。しかし、それは「廣島」すなわち日本の戦争加害や植民地支配を忘れるための免罪符ではありません。 「被爆地ヒロシマ」と「軍都廣島」という二つの顔を持つ広島では、平和記…

自民党政権と「旧統一教会」の癒着をすべて「旧統一教会」のせいにする「主権者」の無責任さ

「旧統一教会」が日本での勢力拡大のために政界工作をしてきたというのは事実ですし、「旧統一教会」による霊感商法や献金の強要は断じて許されるものではありません。しかし、だからといって日本国民が自民党政権と「旧統一教会」の癒着をすべて「旧統一教…

自民党政権と「旧統一教会」の癒着は、日本の国民が向き合うべき日本の問題である。

今般の自民党政権と「旧統一教会」の癒着の問題について、ネット右翼のみならず「リベラル」派の中にも、「旧統一教会」が韓国発祥であることを強調し「韓国が日本を食い物にしている」という構図を描きたがる人が少なからず見受けられます。 たしかに、「旧…

自民党政権とカルト教団の癒着は、戦後日本の政治体制の問題である。

もちろん、国会議員が「旧統一教会」のようなカルト教団と関わりを持たないことは大事です。しかし、自民党政権とカルト教団の癒着は、後に述べるように、戦後日本の政治体制の問題という構造的な問題であって、単なる議員個人の問題にとどまるものではあり…