葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

日本は米軍と日本軍「自衛隊」の一体化によって「アメリカの戦争に引き込まれる」のではない。

加速する米軍と自衛隊の一体化 アメリカの戦争に引き込まれる恐れは 安全保障関連法施行8年:東京新聞 TOKYO Web

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集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法が施行されてから29日で8年となった。自衛隊幹部が米国製巡航ミサイル「トマホーク」を米軍と情報共有して敵基地攻撃に使う可能性に言及するなど軍事的な一体化は加速。4月の日米首脳会談では米軍と自衛隊の指揮統制の連携強化で合意する方針だが、強大な米軍の影響力で自衛隊の指揮権の独立性が損なわれ、日本が米国の軍事行動に巻き込まれる懸念は消えない。

 

加速する米軍と自衛隊の一体化 アメリカの戦争に引き込まれる恐れは 安全保障関連法施行8年:東京新聞 TOKYO Web

米軍と日本軍「自衛隊」の軍事的な一体化に関して、それを批判する日本国民からは「アメリカの戦争に引き込まれる」ことを懸念する声が多く聞かれます。

たしかに、米軍と日本軍「自衛隊」の軍事的な一体化によって日本軍「自衛隊」はアジアにおける米国の覇権を守るための「アメリカの戦争」で米軍と軍事的行動を共にすることになるでしょう。しかし、それは決して「アメリカの戦争に引き込まれる」のではありません。

戦後日本は、日本が犯した侵略戦争への深い反省に基づく「平和憲法」があるにもかかわらず、1950年に再軍備の第一歩を踏み出し*1、「平和憲法」のおかげで自らの手を血で汚すことなく朝鮮戦争(1950年~)やベトナム戦争(1960~75年)、イラク戦争(2003~11年)といった「アメリカの戦争」に加担して暴利をむさぼってきました。そして、いまや世界有数の軍事大国となった*2日本は、戦争法*3が制定されたことによって、「平和憲法」があるにもかかわらず「集団的自衛権」に名の下に世界最強の軍事力を誇る唯一の軍事超大国である米国の侵略戦争に同盟国として参加できるようになり*4、アジアにおけるアメリカの覇権を守るための対中国戦争、あるいは対朝鮮民主主義人民共和国DPRK)戦争に向けた準備を盟主である米国と共に着々と進めています*5。岸田政権が固執する敵基地攻撃能力の保有*6も、日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の世界経済体制を守ることを目的とする米国の侵略戦争に参加する上で必要となるものです。つまり、日本は「アメリカの戦争に引き込まれる」のではなく、米国の同盟国としてアジアにおける米国の覇権を守るための「アメリカの戦争」に主体的かつ積極的に参戦するのです。

このように日本が「アメリカの戦争」に主体的かつ積極的に参戦するのは、戦後の日本が米国主導の東アジア国際秩序に組み込まれることを通じて「国体」を護持する(天皇制国家を維持する)道を選んだからであり、また、米国主導の東アジア国際秩序を守ることが日本の権力層や経済的支配層の利益を守ることにつながるからです。つまり、日本が「アメリカの戦争」に主体的かつ積極的に参戦するのは、天皇制国家・日本の権力層や経済的支配層の利益を守るためなのです。「アメリカの戦争に引き込まれる」ことを懸念する日本国民は、そうした日本の権力層や経済的支配層の利益を守るための戦争で日本軍「自衛隊」に殺されるであろう人たちの姿を想像する必要があります。

日本国民が米軍と日本軍「自衛隊」の軍事的な一体化に反対しなければならないのは、日本が「アメリカの戦争に引き込まれる」からではなく、日本が米国の同盟国としてアジアにおける米国の覇権を守るための「アメリカの戦争」に主体的かつ積極的に参戦すれば日本は再び戦争加害者になるからです。憲法9条は、日本が戦争被害者にならないための「お守り」ではなく、日本が過去のアジア侵略戦争を反省して再び戦争加害者にならないことを誓うものです。日本国民は、そのことを改めて認識し、これまでないがしろにされてきた憲法9条を政府に遵守させなければなりません。そして、先に述べた日本が「アメリカの戦争」に主体的かつ積極的に参戦する理由に鑑みれば、米国主導の東アジア国際秩序を守るための「安全保障」に名を借りた日米軍事同盟を解消し、米国主導の東アジア国際秩序を守ることを通じて天皇制国家を守るための軍隊である日本軍「自衛隊」を解体して、究極的にはその根底にある天皇制を廃止するべきです。