自民・公明 “安保3文書”案で合意 「反撃能力」保有を明記 | NHK | 自衛隊
政府が「反撃能力」と呼ぶ敵基地攻撃能力の保有について、おそらく国民の多くは「日本が外国から武力攻撃を受けた場合に反撃する能力の保有」だと思っているでしょう。
たしかに、政府は「反撃能力」を「必要最小限度の自衛の措置」と定義し、専守防衛の考え方に変わりがないことを強調しています。しかし、政府の言うことを鵜呑みにするのは危険ですし、「反撃能力」を字義通りに捉えるのは「木を見て森を見ず」です。
敵基地攻撃能力の保有について考えるうえで、忘れてはならないことがあります。それは、いまや世界第5位(2022年現在)の強大な軍事力を持つ*1軍事大国である日本が、2015年に戦争法*2が制定されたことによって、「集団的自衛権」の名の下に世界最強の軍事力を誇る唯一の軍事超大国であるアメリカの侵略戦争に参加できるようになった*3、ということです。そして、米国主導の世界経済体制を守るための戦争であるアメリカの侵略戦争に参加できるようになった日本は、アメリカとともに対中国戦争*4、あるいは対朝鮮民主主義人民共和国戦争*5に向けた準備を着々と進めています。
たとえば、アメリカが「北朝鮮の核武装解除」を名目に*6朝鮮民主主義人民共和国へ軍事侵攻したとします(2003年にアメリカが「イラクによる大量破壊兵器の保有」をでっち上げてイラクへ軍事侵攻した*7ことを考えると、アメリカが朝鮮民主主義人民共和国へ軍事侵攻する可能性は皆無ではないでしょう。)。これに対して朝鮮民主主義人民共和国が反撃した場合、日本が「集団的自衛権」の名の下にアメリカの朝鮮民主主義人民共和国侵略戦争に参加して敵基地攻撃を行うことは十分に考えられます*8。つまり、昨今における日米両国の動きを総合的に見れば、日本軍「自衛隊」による敵基地攻撃は、米国主導の世界経済体制を守るための戦争であるアメリカの侵略戦争への参加の一環として行われるものであり、それは憲法9条の下において許容されている自衛権行使の範囲を逸脱するものであって、憲法に違反し許されないのです。
日本が本当に立憲民主主義の国であるならば、与党である自公両党が合意しようが、憲法に違反する敵基地攻撃能力の保有は決して許されないはずです。私は、憲法に違反する敵基地攻撃能力の保有に、断固として反対します。
*1:2022 Japan Military Strength
*2:「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現をよびかけます 日本共産党中央委員会幹部会委員長 志位和夫│・・│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会
*3:安保法:29日施行 集団的自衛権行使が可能に | 毎日新聞
*4:対中国戦争へ日米が舵を切る~2プラス2が作戦計画策定開始で合意か~ - 社民党 SDP Japan
中国とにらみ合う第1列島線上 米軍が日の丸オスプレイと描く作戦 [沖縄・本土復帰50年]:朝日新聞デジタル
*5:日米韓首脳会談で共同声明“北朝鮮核実験行えば確固たる対処” | NHK | 北朝鮮 ミサイル
日米韓 弾道ミサイル想定共同訓練を実施 “3か国の協力推進” | NHK | 北朝鮮 ミサイル
*6:北朝鮮の核武装解除「唯一の方法」は地上軍侵攻=米統合参謀本部 - BBCニュース
*7:「イラクの大量破壊兵器情報はうそ」、情報提供者が認める 英紙報道 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
*8:日本「米軍が攻撃を受けても敵基地攻撃可能」、5月に決定していた : 日本•国際 : hankyoreh japan