葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

自民党政権とカルト教団の癒着は、戦後日本の政治体制の問題である。

もちろん、国会議員が「旧統一教会」のようなカルト教団と関わりを持たないことは大事です。しかし、自民党政権カルト教団の癒着は、後に述べるように、戦後日本の政治体制の問題という構造的な問題であって、単なる議員個人の問題にとどまるものではありません。自民党政権カルト教団の癒着について、これを議員個人の問題、あるいは危険なカルト教団だけの問題としてしか捉えないのは「木を見て森を見ず」です。

敗戦により米国主導の東アジア国際秩序に組み込まれた戦後日本において、1955年以降今日に至るまでほとんど中断なく政権を握ってきた自民党が「旧統一教会」を利用してきたのは、自民党と「旧統一教会」が同じ理念を共有しているからです。そして、その理念とは、米国主導の世界経済体制を構築・発展させることを究極の目的とする反共主義です。また、自民党政権は、戦後日本が米国主導の東アジア国際秩序に組み込まれることによって維持された天皇制国家の理念、すなわち家父長主義を実現するためにも、同じ理念を共有している「旧統一教会」や「神道政治連盟」などを利用してきました。つまり、米国主導の東アジア国際秩序と天皇制国家を支える反共主義体制の構築・発展を使命とする自民党政権が、その使命を果たすべく同じ理念を共有するカルト教団を利用してきたのです。自民党政権と同じ理念を共有するカルト教団にとって、自民党政権に利用されることが大きな利益となるのは、言うまでもありません。そうして、米国主導の東アジア国際秩序と天皇制国家を支える反共主義という政治構造における利用関係(一部の左派やリベラル派は「自民党統一教会に操られている」と言いますが、そのような言説は正しくありません。*1)が、自民党政権カルト教団の癒着を生んだのです。自民党の成り立ち(自民党が結党に際して米国の反共政策に基づくCIAの支援を受けていたことは、米国政府の認めるところです。*2)に鑑みれば、自民党政権と「旧統一教会」の癒着は、ある意味で必然だったといえるかもしれません。

このように、自民党政権カルト教団の癒着は、戦後日本の政治体制の問題という構造的な問題ですから、議員個人が「旧統一教会」のようなカルト教団と関わりを持つのをやめるだけでは決して解決しません。たとえ議員個人が「旧統一教会」のようなカルト教団と関わりを持つのをやめたとしても、自民党政権は己の使命を果たすために同じ理念を共有するカルト教団を巧みに利用し続けるでしょう。つまり、自民党政権カルト教団の癒着問題を根本的に解決するためには、米国主導の東アジア国際秩序と天皇制国家を支える反共主義体制の構築・発展を使命とする自民党政権を打倒し、さらには天皇制を打倒することが必要です。そして、それは日本の真の民主化を妨げてきた米国主導の東アジア国際秩序を抜け出し、日本の真の民主化を実現することなのです。