葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「『防衛力』強化資金」とは、憲法9条に違反する軍事力を強化するための資金である。

「防衛力強化資金」創設法案 立民 維新 国民“十分な審議確保を” | NHK | 自衛隊

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「『防衛力』強化資金」について、国民の中には「『防衛力』強化のためなら仕方ない」と思う人も少なくないでしょう。しかし、「防衛力」という言葉を額面どおりに受け取るのはいささかナイーブにすぎます。

「戦後」の日本は、日本が犯した侵略戦争への深い反省に基づく憲法9条があるにもかかわらず、1950年に再軍備の第一歩を踏み出し*1憲法9条のおかげで自らの手を血で汚すことなく朝鮮戦争(1950年~)やベトナム戦争(1960~75年)、イラク戦争(2003~11年)といった「米国の戦争」に加担して暴利をむさぼってきました。そして、いまや世界有数の軍事大国となった*2日本は、戦争法*3が制定されたことによって、憲法9条があるにもかかわらず「集団的自衛権」に名の下に世界最強の軍事力を誇る唯一の軍事超大国である米国の侵略戦争に参加できるようになり*4、米国主導の世界経済体制を守るための対中国戦争に向けた準備を盟主である米国と共に着々と進めています*5

岸田政権がめざす「『防衛力』強化」は、まさにかかる米国主導の世界経済体制を守ることを目的とする米国の侵略戦争に参加するためのものです。そして、岸田政権が固執する敵基地攻撃能力の保有も、日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の世界経済体制を守ることを目的とする米国の侵略戦争に参加する上で必要なものなのです*6。しかし、日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の世界経済体制を守ることを目的とする米国の侵略戦争に参加することは、憲法9条の下において許容されている自衛権の範囲を超えるものであって、戦争の放棄をうたう憲法9条に違反し、到底許されるものではありません。つまり、岸田政権がめざす「『防衛力』強化」は、その実は憲法上許されない軍事力強化なのです。

以上から言えることは、「『防衛力』強化資金」とは、憲法9条に違反する軍事力を強化するための資金であるということです。このような憲法9条に違反する軍事力を強化するための資金を創設することは、憲法9条の趣旨に反し許されないというべきです。私は、日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の世界経済体制を守ることを目的とする米国の侵略戦争に参加するための軍事力強化資金の創設に、断固として反対し、「『防衛力』強化資金」創設法案の廃案を強く要求します。