葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「防衛増税」は先送りではなく中止すべきである。

防衛増税先送り=24年開始「大変きつい」―宮沢自民税調会長 | 時事通信ニュース

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「防衛増税」を中止すべきなのは、単に「国民負担」(負担を強いられるのは「国民」だけではありませんが)が増える*1からではありません。「防衛増税」を中止すべきなのは、それが「防衛」に名を借りた軍拡の財源確保のための増税だからです。

戦後の日本は、戦争の放棄と戦力の不保持をうたう憲法9条があるにもかかわらず、ベトナム戦争(1960~75年)やイラク戦争(2003~11年)といったアメリカの侵略戦争に加担してきました。そして、いまや世界有数の強大な軍事力を持つ*2軍事大国となった日本は、2015年に戦争法*3が制定されたことによって、「集団的自衛権」の名の下に*4世界最強の軍事力を誇る唯一の軍事超大国であるアメリカの侵略戦争に参加できるようになりました。こうして、「集団的自衛権」の名の下にアメリカの侵略戦争に参加できるようになった日本は、アメリカとともに対中国戦争*5、あるいは対朝鮮民主主義人民共和国DPRK)戦争*6に向けた準備を着々と進めています。これは、つまるところ米国主導の東アジア国際秩序、ひいては米国主導の世界経済体制を守るための戦争の準備です。

岸田政権が掲げる「防衛力」強化に伴う増税は、まさにこのような米国主導の東アジア国際秩序を守るための戦争への参加に向けた軍事力のさらなる強化に必要な財源を確保することを目的とするものです。しかし、そもそも日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の東アジア国際秩序を守るための戦争に参加することは、憲法9条の下において許容されている自衛権の範囲を超えるものであって、戦争の放棄をうたう憲法9条に違反し、到底許されるものではありません。それゆえ、「国民負担」云々関係なく、米国主導の東アジア国際秩序を守るための戦争への参加に向けた軍事力のさらなる強化に必要な財源を確保することを目的とする増税は決して許されないのです。

私は、「防衛」に名を借りた軍拡の財源確保のための増税の中止を求めるとともに、憲法9条に違反する日本が「集団的自衛権」の名の下に米国主導の東アジア国際秩序を守るための戦争に参加するための軍事力のさらなる強化に断固として反対します。