北朝鮮のミサイル発射実験について議論する際、経済評論家の上念司氏が、朝鮮学校について「OBが日本人拉致に関わっていたりする」「スパイ養成的なところもあったり」などと発言した。
— 上泉雄一のええなぁ！ (@uwa1179) 2023年3月23日
ＭＢＳラジオの有貞直明・コンテンツデザイン局長は上念司氏の朝鮮学校「スパイ養成」発言を「ヘイトスピーチにはあたらない」と主張しますが、しかし、上念氏の当該発言は、紛れもなくヘイトスピーチです。
朝鮮民主主義人民共和国を「北朝鮮」と呼んで「悪魔化」し、「北朝鮮」を絶対的な悪の象徴として敵視する「『北朝鮮』悪魔視」がはびこる日本社会において、朝鮮学校を「北朝鮮」と結びつけて危険視することは、もし「上念氏は民族教育そのものを否定しているわけではない」というのが本当だとしても、朝鮮学校を日本社会から排斥せんとする暴力を誘発しかねません。実際、日本各地では、朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射にかこつけた朝鮮学校に対するヘイトクライムが相次いで起きています*1。つまり、上念氏の当該発言は、上念氏の意図がどうであれ、朝鮮学校に対するヘイトクライムを誘発しかねない極めて危険なヘイトスピーチ（差別煽動表現）なのです。ヘイトスピーチについては、ヘイトスピーチが発言者の主観のいかんにかかわらず差別を助長し、ひいてはヘイトクライムを誘発する危険性をもつものであることを看過してはなりません。
このような危険極まりないヘイトスピーチを「ヘイトスピーチにはあたらない」と正当化するＭＢＳラジオですが、そんなＭＢＳラジオの「真摯な番組制作」とは、一体どのようなものなのでしょうか。「ＭＢＳラジオとしては、（上念氏の当該発言はヘイトスピーチにあたらないとする）その見解に変わりがないことについて改めてリスナーの皆様にお伝えするとともに、今後も真摯な番組制作に努めてまいります」というメッセージは、私にはＭＢＳラジオが今後も朝鮮学校に対するヘイトクライムを誘発しかねない極めて危険なヘイトスピーチに加担していく宣言のように思えてなりません。
私は、上念司氏の朝鮮学校に対するヘイトスピーチはもちろん、ＭＢＳラジオが上念司氏の朝鮮学校に対するヘイトスピーチを正当化することも、断じて許容しません。
