葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

戦後のアメリカと日本の関係は、決して一方的な支配関係ではない。

「日本はアメリカに支配されている」あるいは「日本はアメリカの植民地である」という言説をしばしば見聞きします。

たしかに、戦後のアメリカと日本の関係が、新植民地主義的な非対称のものであることは否定できません。しかし、そうはいっても、戦後のアメリカと日本の関係は、決して一方的な支配関係ではありません。

敗戦後、「国体護持」(=天皇制の維持)に腐心する昭和天皇裕仁と支配層は、アメリカ軍を主体とするGHQ連合国軍総司令部)による対日占領政策の実現に積極的に協力しました*1(その過程で、アジア太平洋戦争で「皇国」を守るための「捨て石」にされた沖縄*2は、自己保身に腐心する昭和天皇裕仁によってアメリカに売り渡されました*3。)それは、天皇制を日本の間接統治に利用したいGHQの思惑とも合うものでした。そうして、「象徴天皇制」という形で天皇制の維持を実現し、「天皇制国家」のまま「国際社会」に復帰した*4日本は、その後、今日に至るまで、アメリカを盟主とする「サンフランシスコ体制」の下で、アメリカという虎の威を借り、いわば「小米帝」としてアジア・太平洋地域で我が物顔に振る舞っています*5。つまり、戦後の日本は、戦後も「天皇制国家」を維持し、アジア・太平洋地域における影響力を維持するために、アメリカ帝国主義をしたたかに利用しているのです。「日本はアメリカに支配されている」論者は、この点を看過しています。もしかすると彼らは、戦後の日本がアメリカ帝国主義の「被害者」であると言いたいのかもしれません。しかし、戦後の日本は決してアメリカ帝国主義の「被害者」ではなく、むしろアメリカ帝国主義の立派な「共犯者」です。

戦後のアメリカと日本の非対称な関係は、つまるところ「天皇制国家」という日本帝国主義国家体制によるアメリカ帝国主義の利用に起因するものです。それゆえ、「米日関係」の非対称性を克服するためには、「天皇制国家」という日本帝国主義国家体制を克服することが何よりも必要なのです。

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