葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

韓国の民主化運動の歴史に関心を持つ日本の人民が忘れてはならないこと

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われわれ日本の人民が、光州民主化運動や6月民主抗争といった韓国の民主化運動の歴史に関心を持つことは、もちろん決して悪いことではありません。ただ、もし韓国の民主化運動の歴史に関心を持つ日本の人民が、韓国の民主化運動と軍事政権によるその弾圧を「我が国よりも民主化が遅れた隣国の、『平和』な我が国とはまるで無関係な悲劇」だと認識しているのだとしたら、その認識は正しくありません(そもそも、日本国民は「戦後の日本は民主主義国家である」と「お上」に言われたからそう信じているだけで、自らの手で民主主義を確実に掴んだわけではありません。)。

本稿では深く立ち入りませんが、韓国の軍事政権とそれによる民主化運動の弾圧は、米国主導の戦後東アジア秩序を支える新植民地主義*1的な日韓「1965年体制」と深い関わりがあります*2。そして、新植民地主義的な日韓「1965年体制」は、日帝による朝鮮植民地支配の延長線上にあるものです。つまり、韓国の民主化運動と「親日*3的な軍事政権によるその弾圧は、日帝による朝鮮植民地支配の延長線上にある日韓「1965年体制」と深い関わりがあるものだという点で、日本の人民にとって「我が国よりも民主化が遅れた隣国の、『平和』な我が国とはまるで無関係な悲劇」では決してないのです。

こうしたことを考えると、われわれ日本の人民は、韓国の民主化運動の歴史に関心を持つにしても、まずは何よりも日帝による朝鮮植民地支配という自国の「負の歴史」や戦後日本の継続する植民地主義と真摯に向き合い、これらを克服すべきであることを、決して忘れてはなりません。そして、われわれ日本の人民は、韓国の民主化運動の歴史を単に「物語」として消費するのではなく、戦後日本の継続する植民地主義を克服して日本の真の民主化を実現するために必要なことを韓国の民主化運動の歴史から学ぶことが大切です。

*1:新植民地主義(しんしょくみんちしゅぎ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

*2:“米国は、日本とアジアを米国を頂点とする分業関係のネットワークのもとに位置づけた。韓国には戦闘基地の役割が、日本には兵站基地の役割が与えられた。日本が『平和』を維持できたのは、[……]韓国が戦闘基地、すなわち軍事的バンパーとしての役割を担い、周辺地域が軍事的リスクを負担したからだ。そして、この地域では、米国に与えられた役割に適合的な政治体制が必要であった。それが日本の自民党長期政権であり、韓国の反共軍事独裁政権であった。”(権赫泰『平和なき「平和主義」』)

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*3:[インタビュー]「日本軍国主義の洗礼を受けた『日本人・朴正煕』を明らかに」 : 文化 : hankyoreh japan