葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「アカ狩り」は、過去のことでも他人事でもない。

共産・山添拓参院議員が書類送検 鉄道写真撮影で線路横断 ツイッターに「軽率と反省」:東京新聞 TOKYO Web

 

本稿では事件そのものについて特に論評はしませんが、ただ、昨今の事象に鑑みれば、本件が共産党員である山添議員を「狙い撃ち」にしたものであることは容易に分かるでしょう。

ところで、日本共産党に対して批判的な左翼の中には、本件について「日本共産党はこれまで公安警察による新左翼の弾圧を容認してきたのだから自業自得だ」と言う人も少なからずいるようです。たしかに、左翼を自認する私も、今の日本共産党の右翼日和見主義的な態度には不満を抱いています。しかし、今の日本共産党が右翼日和見主義に堕しているからといって、反動政権や反動右翼による日本共産党への悪質な攻撃を許してよいということにはなりません。本件を「自業自得だ」と言う日本共産党に対して批判的な左翼の人たちは、自分たちが批判する、これまで公安警察による新左翼の弾圧を容認してきた日本共産党と同じ過ちを犯しています。

一方、日本共産党の党員や支持者の中には、「われわれとは違う『極左暴力集団』は、公安当局に監視されたり逮捕されたりしても仕方がない」といったことを言う人もしばしば見受けられます。しかし、「極左暴力集団(公安用語)」というレッテルを貼って公安当局による弾圧を正当化するというのは、まさしく日本共産党に「破防法に基づく調査対象団体」というレッテルを貼って公安当局による弾圧を正当化するのと同じ論理によるものです。「われわれとは違う『極左暴力集団』は、公安当局に監視されたり逮捕されたりしても仕方がない」といったことを言う日本共産党の党員や支持者の人たちには、ぜひ今回の事件を機に公安当局の横暴を容認する冷笑主義的な態度を改めてほしいと思います。

日本共産党新左翼が、反動政権や反動右翼によるそれぞれへの反動的な攻撃について冷笑主義的な態度をとることは、反動政権や反動右翼という人民の「真の敵」を利するだけです。われわれ左翼は、くれぐれも「真の敵」を見誤ってはなりません。

おそらく「国民」の多くは、「私は『アカ(共産主義者の蔑称)』ではないから、『アカ狩り』なんて私には関係ない」と思っていることでしょう。もしかすると、日本共産党の党員や支持者の中にも、「日本共産党は『極左暴力集団』ではないから、公安警察による弾圧なんて日本共産党には関係ない」と思っている人もいたかもしれません。しかし、反動政権や反動右翼にとって大事なのは、あなたや私(ちなみに、私は共産主義者です。)が本当に「アカ」であるかどうかではなく、反動政権あるいは「國體」にとって危険な存在であるかどうかです。すなわち、たとえあなたが共産主義者でなくても、あなたが政権あるいは「國體」にとって危険な存在であれば、あなたは「アカ」だということです。反動の嵐が吹き荒れる今日、「アカ狩り」は、日本の人民にとって過去のことでも他人事でもありません。