葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「差別する気はない」という言い訳は通用しない。

若林洋平参院議員、SNSの投稿をめぐり釈明「差別する気はない」 | TBS NEWS DIG (1ページ)

newsdig.tbs.co.jp

自民党の若林洋平参院議員はSNS上で在日クルド人に関する差別的な投稿を引用する形で、「日本の文化・しきたりを理解できない外国の方は母国にお帰りください」などと書き込みました。若林氏は「差別する気はない」と釈明しています。

 

若林洋平参院議員、SNSの投稿をめぐり釈明「差別する気はない」 | TBS NEWS DIG (1ページ)*1

自民党の若林洋平参院議員のように、差別言動を咎められると「差別する気はない」という言い訳をする人が少なくありません*2。そういう人は、差別について大きな勘違いをしています。

差別は、「差別する気」の有無という個人の主観的な問題ではなく、社会の差別構造に起因する人権侵害という客観的な問題です。それゆえ、当人に「差別する気」があろうとなかろうと、その言動が客観的に見てマイノリティへの差別を助長または誘発しマイノリティの人権と尊厳を傷つけるものであるならば、その言動はまぎれもなく許されざる差別言動なのです。

特定民族であることを理由に「国へ帰りなさい」「日本から出て行って」などの言葉を浴びせるのは、典型的なヘイトスピーチと解される。

 

自民若林氏、クルド人憎悪あおる 「国にお帰り」とSNSに投稿:東京新聞 TOKYO Web

特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとしたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動が、一般に「ヘイトスピーチ」と呼ばれています (内閣府「人権擁護に関する世論調査(平成29年10月)」より)。

例えば、

(1)特定の民族や国籍の人々を、合理的な理由なく、一律に排除・排斥することをあおり立てるもの

(「○○人は出て行け」、「祖国へ帰れ」など)

 

法務省HP

https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html

若林氏の「日本の文化・しきたりを理解できない外国の方は母国にお帰りください」というSNSの発言は、まさに在日クルド人を日本社会から追い出そうとするものであって、それは客観的に見て日本社会のマイノリティである在日クルド人への差別を助長または誘発しマイノリティの人権と尊厳を傷つける典型的なヘイトスピーチです。そして、先に述べたように「差別する気」の有無は問題ではありませんから、若林氏の「差別する気はない」という言い訳は通用しません。

もっとも、謝罪どころか撤回すらせず「本当に差別なんていうことを考えたこともない」と開き直る若林氏は、そもそも差別を悪いことだと思っていないのでしょう。差別を悪いことだと思っていないというのは、法務局から差別言動を人権侵犯と認定されても「差別がなくなっては困る人たちと戦ってきた。私は差別をしていない」と開き直る杉田水脈*3もそうですが、このようなまさに差別主義者といえるような人物たちが「国民の代表」たる国会議員であり、このような人物たちが所属する政党が政権与党であるということは、日本社会では民族差別や排外主義が支配的な価値観であることを物語っているといえます。

このように、民族差別や排外主義が支配的な価値観である日本社会では若林氏の発言を擁護する声も少なからずあるようですが*4、私は今般の若林氏の発言のようなヘイトスピーチを断じて許容しません。「日本の文化・しきたりを理解できない外国の方は母国にお帰りください」とのたまう若林氏ですが、若林氏のようにヘイトスピーチが違法な人権侵害である*5ことを理解できない国会議員は、速やかに議員辞職してください。