葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

永住許可取り消し法案に断固反対する。

故意に税金未納や滞納繰り返した場合 国が永住許可取り消しへ | NHK | 法務省

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育成就労制度が新たに導入されれば永住許可を得る外国人の増加が見込まれるとして、出入国在留管理庁は、故意に税金の未納や滞納を繰り返すなどした場合、資格を取り消せるように在留資格制度を見直す方針を固めました。今の国会に関連する法案を提出する見通しです。

 

故意に税金未納や滞納繰り返した場合 国が永住許可取り消しへ | NHK | 法務省

もし日本国民が故意に税金の未納や滞納を繰り返すなどしたとして、日本政府はその国民を国外に追放することができるのでしょうか。永住者である外国籍市民が故意に税金の未納や滞納を繰り返すなどしたとしても、日本国民と同じ処分をすればよいだけのことです。日本国民に対してできないことを外国籍だからという理由で永住者である外国籍市民に対してすることは、「法の下の平等」(憲法14条)に違反する国籍差別にほかなりません。

アジア圏にルーツを持ち、日本で生まれ育った20代の永住者=西日本在住=は、「永住権の取り消し検討」の報道を目にしてから不安が尽きないと取材に明かす。

「自営業の親の収入は不安定で、自分や家族の健康状態も今後どうなるか分かりません。在留資格を失うリスクを常に抱えることになります。新制度で永住権を失い、家族が離散することになったらと考えると不安でいっぱいです」

日本に帰化することは考えていなかったが、永住権を取り消されることへの懸念から、帰化するべきか、帰化を希望したとしても認められないのではないかと悩んでいるという。日本で生まれ、日本の学校に通い、この国で家族と共に暮らしてきた。日本以外に、生活の基盤はどこにもない。

 

「永住許可取り消し」制度、何が問題か。「築き上げた生活基盤を剥奪」支援団体が反対の声明 | ハフポスト NEWS

外国人に対する人権の保障について、マクリーン事件最高裁判決(最高裁1978年10月4日大法廷判決)は、「外国人に対する憲法基本的人権の保障は、[……]外国人在留制度のわく内で与えられているにすぎないと解するのが相当」だとしています。しかし、外国人に対する人権の保障についてそのように解することは、人権が人間の普遍的な権利であることをあまりにも軽視するものであって不当です。永住者である外国籍市民も、日本に生活基盤を築き、日本社会の一員として日常生活を営む人間存在である点で、日本国民と何ら変わりはありません。それゆえ、永住者である外国籍市民がこれまで日本で築き上げてきた生活をこれからも営み続ける権利も基本的人権である幸福追求権(憲法13条)として保障すべきであり、国がそれを不当に奪ってはなりません。

スイス経済は労働者を呼んだのに、来たのは人間だった。

 

マックス・フリッシュ(Max Frisch 1911-1991

日本政府は、外国人労働者を単なる労働力としか見ていないのかもしれません。しかし、外国人労働者は単なる労働力ではなく、生活者たる人間です。私は、永住者である外国籍市民の人権を脅かす永住許可取り消し法案に断固として反対します。