あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

私は特権を持つマジョリティである日本国籍者ですが、決して「大和民族」ではありません。

私は、日本国籍者として生まれ、日本国籍者として生きている、特権を持つ日本社会のマジョリティです。私は、この事実を否定することはできませんし、この事実を否定して特権を持つマジョリティとしての責任から逃れるつもりもありません。

しかし、私が特権を持つ日本社会のマジョリティである日本国籍者だからといって、私を「大和民族」と決めつけるのはやめてください。私は、コリアにルーツを持つ(私の母方の祖父は、慶尚南道出身の在日コリアン1世です。)日本国籍者ですが、私が日本国籍者であるのは、家父長制的イデオロギーに立脚した父系優先血統主義の結果にすぎません(なお、現行の国籍法(1984年改正法)は、父母の少なくともどちらか一方が自国民であれば国籍を付与する父母両系血統主義を採用しています。)。そのような私を、特権を持つ日本社会のマジョリティである日本国籍者だからというだけで「大和民族」と決めつけるのは、私のルーツを否定するものです。現代の「日本」という国民国家において、特権を持つマジョリティは、決して「大和民族」だけではありません。

もちろん、日本国籍者である個人が「大和民族」を自認するのは自由です(ただし、そもそも「大和民族」という概念は、近代(1880年代)以降に統一国家形成の過程で、「記紀神話」に民族のルーツを求め、大日本帝国のマジョリティ民族として創り出されたものです*1。)。しかし、それならば私が他者から「大和民族」と規定されない自由もあるはずです。国家はもちろん、あなたにも私のエスニック・アイデンティティを決める権利はありません。私のエスニック・アイデンティティは、私が決めます。私は特権を持つマジョリティである日本国籍者ですが、決して「大和民族」ではありません。これは、「大和民族」を自認する人たちからすれば「つまらないこだわり」かもしれませんが、しかし、私にとっては実存にかかわる切実な問題なのです。