葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

安倍氏は、どこまで強制労働被害者を冒涜する気なのか。

 

軍艦島の強制労働被害者の訴え*1を「いわれなき中傷」呼ばわりする日本の前首相・安倍晋三氏は、いったいどこまで厚顔無恥で冷酷無情なのでしょうか。毎日新聞安倍氏の戯言を「韓国(を)やゆ」*2と書いていますが、これは「韓国(を)やゆ」ではなく軍艦島の強制労働被害者に対する冒涜です。このように何の良心の呵責もなく日帝植民地支配下における人権侵害の被害者を冒涜する人間が「お詫びと反省」を口にしたところで*3、それが信用されるはずがありません。

「いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番でしょう」と勝ち誇ったように語る安倍氏は、まさか長崎造船所で働かされた台湾人徴用工の給料袋や賞与袋が存在するという「ファクト」で端島炭鉱(軍艦島)の強制労働を否定できると本気で思っているのでしょうか。論理的に考えれば、長崎造船所で働かされた台湾人徴用工の給料袋や賞与袋が存在するからといって端島炭鉱(軍艦島)の強制労働がなかったということにはならないというのは、すぐに分かることです。安倍氏のような極右歴史修正主義者が見たい「ファクト」だけが、ファクトのすべてではありません。

「ファクト」云々について言えば、産業遺産情報センターを訪れた安倍氏が「いわれなき中傷をぜひ跳ね返してもらい、日本の力強い産業化の歩みを伝えてほしい」と述べたことは、産業遺産情報センターが、軍艦島ユネスコ世界文化遺産に登録する際に設置することを日本政府が約束した「犠牲者を記憶にとどめるためのインフォメーションセンター」*4ではなく、軍艦島の歴史を歪曲し奴隷的労働を美化するための施設である*5というファクト、そして日本政府が軍艦島ユネスコ世界文化遺産に登録する際にした約束を守っていないというファクトを、改めて知らしめたといえます。もし、これからも日本政府が約束を守らず軍艦島の歴史を歪曲し奴隷的労働を美化し続けるのであれば、ユネスコ軍艦島世界文化遺産登録を取り消すべきです。もちろん、軍艦島の強制労働問題は、軍艦島世界文化遺産登録が取り消されただけでは決して終わりませんが。

 

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