101年前の九月、千葉の路上で - 葦辺の車家ブログ

今から101年前、1923年の9月1日に発生した関東大震災では、発生直後から被災地では「朝鮮人が暴動を起こす」旨のデマが流布され、デマに煽動された日本人によって多くの朝鮮人や中国人が殺害されました。

関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺については、小池百合子東京都知事の追悼文不送付問題*1が大きくクローズアップされていることから、もしかすると東京だけの問題だと思っている人もいるかもしれません。しかし、この凄惨な虐殺事件は、東京のみならず、私が暮らす千葉や、埼玉、群馬、神奈川など関東の広範囲で起きました。

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そして、それは関東だけでなく、日本中どこでも再び起こりうるものなのです。

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今年1月に発生した能登半島地震でも、地震発生直後からインターネット上では多くのSNSアカウントによって、関東大震災時のデマを模倣した「○○人が井戸に毒を入れた」というデマや、東日本大震災の時にも問題となった*2「外国人窃盗団が現地に向かっている」というデマがしきりに流されました。また、平時においても、在日コリアンや在日中国人を標的にしたヘイトスピーチやヘイトクライムが多発しており*3、昨今では在日コリアンや在日中国人に加え、在日ベトナム人や在日クルド人がヘイトスピーチやヘイトクライムの標的にされています*4。これらのことに鑑みれば、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺から101年が経った今日、状況は改善されるどころか、むしろますます悪化しています。つまり、大災害時のジェノサイドは、決して遠い昔や海外の話ではなく、日本社会の「今ここにある危機」であると言わざるを得ず、まさに差し迫った状況にあるのです。

こうした大災害時のジェノサイドという日本社会の「今ここにある危機」を回避し、日本社会が大災害時のジェノサイドという101年前の過ちを二度と繰り返さないようにするためには、やはり何よりもまず「虐殺する側」にいる日本社会のマジョリティが、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の史実に真摯に向き合い、史実を記憶して承継しなければなりません。そして、東京都知事の追悼文不送付や東京都人権部による関東大震災時の朝鮮人虐殺に触れた映像作品の上映禁止*5といった、関東大震災時の朝鮮人・中国人虐殺の史実を否定し、忘却しようとする動きを決して許してはならないのです。

*1:小池都知事の追悼文不送付に抗議朝鮮人虐殺、式典実行委：東京新聞 TOKYO Web

*2:「遺体から指輪盗まれた」被災地で広がったデマと人々の心理：朝日新聞デジタル

*3:

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ウトロ放火事件と平和祈念館 | 反差別国際運動（IMADR）

「偏見にまみれ極めて独善的」韓国民団脅した男に有罪判決徳島地裁 [徳島県]：朝日新聞デジタル

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*4:

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