葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

憲法9条は、日本の戦争加害を忘れることの「免罪符」ではない。

米中衝突なら日本も巻き込まれることに… 日米が目指す“台湾海峡の平和と安定”の行方は? 【ABEMA TIMES】

 

いわゆる台湾海峡有事に関して、日本のマスメディアや国民の多くは「米中衝突なら日本も巻き込まれることになる」と憂慮します。「日本も巻き込まれる」と受け身な言い方なのは、「憲法9条を持つ日本が戦争に参加することは決してない」と思っているからでしょう。しかし、「日本も巻き込まれる」というのは、大きな勘違いです。日本は、アメリカの戦争に「巻き込まれる」のではなく、積極的に加担するのです。現に日本は、アメリカ、イギリス、フランスなどと共に、中国との戦争に向けて着々と準備を進めています*1

たしかに、「戦後日本」は、憲法9条のおかげで自らの手を血で汚さずに済んでいます。しかし、「戦後日本」は、憲法9条があるにもかかわらず、朝鮮戦争ベトナム戦争などの「アメリカの戦争」に加担し、その「恩恵」にあずかってきました。そして、憲法9条があるにもかかわらず、世界第5位(2021年現在)の強大な軍事力を持ち*2、軍隊ではないはずの「自衛隊」がアメリカをはじめとする帝国主義諸国の軍隊と共に、中国との戦争に向けて着々と準備を進めているのです。
このように、日本はアメリカの同盟国として、中国との戦争の準備に主体的かつ積極的に関与しています。つまり、台湾海峡有事では、日本は加害者の立場になりうるのです。それなのに、どうして「日本も巻き込まれる」と被害者ヅラできるのでしょうか。憲法9条は、日本の戦争加害を忘れることの「免罪符」では決してありません。

日本がアメリカの同盟国として中国との戦争の準備に主体的かつ積極的に関与しているということは、それを止める責任が日本国民にあるということです。しかるに、それを忘れて「日本も巻き込まれる」と被害者ヅラするのは、無責任であると言わざるを得ません。日本が、本当に「台湾海峡の平和と安定」*3を望むのであれば、何よりもまず日本が中国との戦争の準備に主体的かつ積極的に関与することをやめるべきです。なぜなら、真の「台湾海峡の平和と安定」は、軍事力では決して実現できないからです。そして、日本の国民とマスメディアは、日本が中国との戦争の準備に主体的かつ積極的に関与するのを止める責任を果たすべきです。そうしなければ、日本は再び同じ過ちを繰り返すことになるでしょう。