葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

人生は一度きりだからこそ……

人生は一度きりだから、悔いなく生きよ――「人生の教師」たちは、私たちにそう説きます。

もちろん私も、たった一度きりの人生を悔いなく生きたいです。たった一度きりの人生、本当に悔いなく生きることができれば、どれだけ幸せなことでしょう。

しかし、むしろ人生が一度きりだからこそ、人生は後悔だらけなのではないでしょうか。

人生は一回限りで取り返しのつかないものだから、どうしたって悔いが残るのです。あれもこれも、もう取り返しのつかないことだから、私は後悔せずにいられないのです。「今」を悔いなく生きているつもりでも、どうせ後で悔やむことになるのです。

もし私が「永遠」を生きることができるとすれば、私は悔いなく生きることができるかもしれません。しかし、有限存在である人間にとって「永遠」とは、つまるところ「死」の別名にすぎません。それゆえ、私は決して「永遠」を生きることはできないのです。自分の「死」であれ愛する人の「死」であれ、「死」は私にとって本当に取り返しのつかない出来事です。

結局、私は「永遠」から疎外された実存を生きる限り、決して悔いなく生きることはできないでしょう。そんな私は、運命を恨みこそすれ、運命を愛することはできない弱い人間です。