葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「3.11」と「復興」について

正直なところ、私は「3.11」について語る言葉を未だ持てずにいます。

そんな私が、ただ一言だけ言えることは、「人間を切り捨てるな」ということです。

どうか「復興」の美名の下に人間を切り捨てないでください。

もっとも、「人間を切り捨てるな」ということは、私のような左翼を自認する人間についてもいえることです。もし私たちが、「闘い」のために人間を切り捨てるようなことをするならば、そのような「闘い」に意味などないでしょう。

ところで、私は当たり前のように使われる「復興」という言葉に疑問を感じています。「3.11」後、本当に必要なのは、復興という「一度衰えたものの勢いを再び取り戻すこと」でしょうか。「一度衰えたものの勢いを再び取り戻」そうとするあまり、未解決の問題を隠蔽し、あるいは忘却させようとしてはいないでしょうか。思うに、「3.11」後、本当に必要なのは、「復興」ではなく、人が「尊厳ある人間」として再び生きることのできる場所を「再生」することです。

あの日から7年が過ぎた今、私たちは、はたして人が「尊厳ある人間」として再び生きることのできる場所を「再生」することができたといえるでしょうか。