戦後80年の全国戦没者追悼式 天皇陛下がおことば述べられる 石破総理は13年ぶりに「反省」の言葉盛り込む式辞 | TBS NEWS DIG
石破総理
「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません」
石破総理は“進む道を二度と間違えない”として、「反省」という言葉を使い、式辞を述べました。
「反省」という言葉が総理大臣の式辞に盛り込まれたのは13年ぶりで、2013年の第2次安倍政権後は使用されていませんでした。
石破総理は「不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承していく」と強調しました。
戦後80年の全国戦没者追悼式 天皇陛下がおことば述べられる 石破総理は13年ぶりに「反省」の言葉盛り込む式辞 | TBS NEWS DIG
今日の我が国の平和と繁栄は、戦没者の皆様の尊(とうと)い命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れません。改めて、衷心より、敬意と感謝の念を捧(ささ)げます。
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先の大戦から、80年が経(た)ちました。今では戦争を知らない世代が大多数となりました。戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません。
同時にこの80年間、我が国は一貫して、平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました。
歳月がいかに流れても、悲痛な戦争の記憶と不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承し、恒久平和への行動を貫いてまいります。未だ争いが絶えない世界にあって、分断を排して寛容を鼓(こ)し、今を生きる世代とこれからの世代のために、より良い未来を切り拓(ひら)きます。
首相が戦没者追悼式の式辞に「反省」という言葉を盛り込まないよりも盛り込んだほうがいいことは、私も否定しません。
しかし、首相が戦没者追悼式の式辞に「反省」という言葉を盛り込めばそれでいいというものではありません。
石破氏は「この80年間、我が国は一貫して、平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くしてまいりました」と言います。しかし、実のところ「我が国」すなわち戦後日本は、戦争の放棄と戦力の不保持をうたう「平和憲法」があるにもかかわらず「安全保障」に名を借りた軍事同盟を結び、皮肉な話ですが「平和憲法」のおかげで自らの手を血で汚すことなく朝鮮戦争(1950年~)やベトナム戦争(1960~75年)といった米国主導の東アジア国際秩序を維持・拡大するための米国の侵略戦争に加担して暴利をむさぼってきました。つまり、この80年間、日本は「一貫して、平和国家として歩み、世界の平和と繁栄に力を尽くして」きたどころか、むしろ「平和国家」を隠れ蓑に米国の侵略戦争を支えるいわば「兵站国家」として歩み、米国の世界覇権の維持・拡大に力を尽くしてきたのです。
さらに今、2015年に強行制定された戦争法*1によって「集団的自衛権」の名の下に米国の同盟国として米国の侵略戦争に参加できるようになった日本は、アジアにおける米国の覇権を維持・拡大するための「来たるべき戦争」に向けた軍事力のさらなる強化を進め*2、琉球弧の軍事要塞化をはじめとする「来たるべき戦争」の準備を着々と進めています*3。その先頭に立つのが、ほかならぬ石破氏です。「恒久平和への行動を貫いてまいります」と言う石破氏ですが、その言葉とは裏腹に、石破氏は米日帝国主義にとっての「来たるべき戦争」(そして、それはわれわれ東アジアの平和を希求する人民が決して望まない戦争)に向けて邁進しているのです。それとも石破氏にとっては、戦争こそが「平和」なのでしょうか。
こうしてみると、首相が戦没者追悼式の式辞に「反省」という言葉を盛り込むかどうかが問題の本質ではないということがわかります。つまり、本当に問題なのは、政府が「反省」の言葉と矛盾した態度や行動をとり続けていることなのです。「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばな」らないと言う石破氏ですが、それならどうして前政権から継承した軍事力のさらなる強化と戦争準備の路線を放棄せず、進む道を再び間違えようとしているのでしょうか。結局のところ、石破氏の「反省」も口先だけのものでしかないということです。そんな口先だけの「反省」なら天皇でもできます。
そもそも、石破氏の言う「あの戦争の反省と教訓」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。2013年以降の当時の安倍晋三首相らと同様にアジア諸国への加害責任には言及しなかった*4点に鑑みれば、やはり米国をはじめとする連合国と無謀な戦争をして、多くの犠牲を出し、無残な敗北を喫したことを「反省」し、「超大国」には決して歯向かず、むしろ「虎の威を借る狐」として振る舞うべきことを「教訓」とするものなのでしょう。だから、平気で「平和憲法」をないがしろにしてアジアにおける米国の覇権を維持・拡大するための「来たるべき戦争」の準備を進め、アジアを再び戦場にしようとするのです*5。日本が繰り返してはならない過ちは、決して米国をはじめとする連合国と無謀な戦争をしたことだけではありません。天皇制国家・日本は、米国をはじめとする連合国との無謀な戦争、すなわち太平洋戦争以前に、朝鮮侵略の第一歩となった江華島事件、朝鮮王宮への侵犯、甲午農民戦争での日本軍による農民虐殺、朝鮮支配めぐる戦争である日清戦争、台湾植民地支配、朝鮮支配めぐる戦争である日露戦争、朝鮮植民地支配、中国侵略の始まりである満州事変、日中戦争、日中戦争での日本軍による南京大虐殺……と、数々の過ちを重ねてきました。そうした過ちの積み重ねの延長線上に、米国をはじめとする連合国と無謀な戦争という過ちがあります。それを考えると、日本が本当に繰り返してはならない過ちは、天皇制国家によるアジア侵略と植民地支配なのです。そして、そうした過ちを繰り返さないために本当に必要なのは、口先だけの反省ではありません。つまり、日本の政府と国民が、天皇制国家によるアジア侵略と植民地支配を真摯に反省し、反省と矛盾した態度や行動を決してとらないこと、さらに究極的には、天皇制国家によるアジア侵略と植民地支配の根底にある日本帝国主義を克服するべく日本の人民が自らの手で元凶たる天皇制を廃止することが、日本が本当に繰り返してはならない過ち、すなわち天皇制国家によるアジア侵略と植民地支配という過ちを再び繰り返さないためには必要不可欠なのです。
*2:これで語ろう 敵基地攻撃能力と大軍拡/「戦争国家」づくりそのもの
*3:対中シフト、進む「要塞化」 自衛隊増強着々と―沖縄戦80年、強まる地元警戒感:時事ドットコム
*4:"2013年以降の当時の安倍晋三首相らと同様にアジア諸国への加害責任には言及しなかった。"
石破首相が追悼の式辞に「反省」復活 2012年から一度も使われなかったキーワードをあえて入れたワケ:東京新聞デジタル
*5:中国に対抗するための「オーシャン構想」が進行中 自衛隊を遠い海域へどんどん派遣 国会で議論しなくていいの?:東京新聞デジタル