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あしべの自由帳

こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく。主にラブとピースとエロスにまつわるetc.について考えています。

ケネディ大使の真意は?―コロンブスの末裔たち

「賢いイルカ」は特別か 人間との近さ、権利論に発展 - 朝日新聞デジタル (http://www.asahi.com) http://t.asahi.com/dy2v

 

たしかに、ケネディ駐日米大使の「イルカ漁に反対する」との発言に関して、イルカ漁やイルカを食べることの是非を議論することの有効性は否定しません。ですが、イルカ漁やイルカを食べることの是非ばかりにとらわれてしまうのは、「木を見て森を見」ないことになってしまうような気がするのです。

私が思うに、駐日米大使の発言の真意は、「知能が高いイルカを食べるために殺すことは残酷である」ということよりも、むしろ「知能が高いイルカを食べるために殺すような人々は野蛮である」ということなのかもしれません。つまり、「人間と同様の知性を持つイルカを食べるなどというのは、まるで人間を食べるようなものではないか」、「人間と同様の知性を持つイルカを食べるような人々は『カンニバル族』である」、そう言いたいのではないでしょうか。そうだとすれば、やはり、彼らはある意味「コロンブスの末裔」なのでしょう。

今回の、駐日米大使発言問題の延長線上には、もしかすると沖縄の基地問題があるのではないか――つい、そんなこと勘繰りをしたくなってしまいます。まあ、それはおそらく下衆の勘繰りでしょう。ですが、もし下衆の勘繰りではないとすれば、駐日米大使の発言は、日本に対するものというよりも、むしろ米国の世論に対するアピールなのかもしれません。

余談ですが、人間と同様の知性を持つイルカを愛する人々の国が、さほど躊躇いなく「人魚」の棲家を奪おうとするのは、なんとも滑稽な話です。

もちろん、私たちが私たちの文化の尊重を他者に求めるのであれば、私たちも他者の文化を尊重しなければならないのは、言うまでもないでしょう。また、自尊心が傷つかぬよう「自国という殻」に閉じこもってしまうなどということの無いよう、常に自戒しなければならないでしょうが……。

 

 参考文献

ポストコロニアリズム (岩波新書)

ポストコロニアリズム (岩波新書)