葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「アマプラCM問題」の本質は何か。

アマゾンプライム「解約しました」 ツイッターで拡散 きっかけは… - 毎日新聞

 

国際政治学者の三浦瑠麗氏がCMに出演したことをきっかけに起きた「Amazonプライム解約運動」に批判的な人の中には、どうやら「リベラル派は三浦氏のことが嫌いだから、三浦氏のCM起用にケチをつけるのだ」と思っている人が少なくないようです。

たしかに、三浦氏のことが嫌いなリベラル派は少なくないでしょう。しかし、今般の問題は、三浦氏のことが好きか嫌いかの問題ではありません。

三浦氏のCM起用に関しては、三浦氏の政権に対する姿勢や、三浦氏が主張する徴兵制必要論を問題視する人が少なくありません。もちろん、それらも決して看過できない問題ですが、しかし、最も問題視されるべきなのは、いわゆる「スリーパー・セル」発言*1です。

三浦氏の「スリーパー・セル」発言は在日コリアン差別を煽動する危険なものです*2が、三浦氏は当該発言を撤回し謝罪せず、むしろ開き直って発言を正当化しようと腐心しています。このような人物であっても、CMに起用されれば大衆は親しみを抱くようになるでしょう。そうして、大衆に広く親しまれるようになった件の人物が、あらゆるメディアで民族差別を煽動するメッセージを発したとき、大衆はそれをどのように受け止めるでしょうか。三浦氏をCMに起用するということは、つまりそういうことなのです。

三浦氏をCMに起用した人たち、あるいは、三浦氏のCM起用を好意的に評価し「Amazonプライム解約運動」を冷笑する人たちは、三浦氏のような人物をCMに起用することの恐ろしさを少しでも考えたことがあるでしょうか。もっとも、彼らは「いざという時」に「殺される側」の人間ではないゆえに、三浦氏のような人物をCMに起用することの恐ろしさに無頓着でいられるのでしょう。