あしべの自由帳

こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく。主にラブとピースとエロスにまつわるetc.について考えています。

築地市場の豊洲移転と、エロティックな表現の規制を結ぶもの

築地ブランド、どう継承 首都圏の台所、16年に大移動 - 朝日新聞デジタル http://t.asahi.com/gsc3

 

2016年にも築地から豊洲へ移転するという、東京都中央卸売市場

移転先の土壌汚染問題等もあってか、どうやら未だに反対の声は根強いようです。

私自身、築地市場豊洲移転には反対ですが、それは単に土壌汚染の問題があるからではありません。

それは、いくら土壌汚染対策をしたところで解決できない、もっと本質的な問題があるからです。

東京都民の食を預かる台所である築地は、かつては寺町だったといいます。「食」とは、人間が生きるために他なるものの命を奪うことであり、寺院は、「生」と「死」の交わる場所です。つまり、築地は「エロス」と「タナトス」が共存し、混じり合う土地なのです。

私たちは、「生」と「死」を二項対立的にとらえがちです。ですが、はたして「生」と「死」は、「『生』と『死』」というように明確に二分することができるものなのでしょうか。築地は、単に日本橋の魚河岸から近かったというだけではなく、「『生』は『死』であり、『死』は『生』である」という〈生≒死〉の本質を体現する土地だからこそ、東京都民の食を預かる台所として発展したのではありますまいか。

現代文明は、人から「死」を遠ざけ、隠そうとしてきました。同じく、人から「性」を遠ざけ、隠そうとしてきました。

そうして考えてみると、エロティックな表現の規制を推進した石原都政が、築地市場豊洲移転を推進したのも、なんとなく分かるような気がします。