葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「憲法9条をまもる」ために必要なこと

日本国憲法

第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

憲法9条をまもる」というと、多くの人は憲法9条を変えないことだと思うでしょう。

もちろん、「憲法9条をまもる」ためには、憲法9条を変えないことも大切です。しかし、それだけでは決して「憲法9条をまもる」ことはできません。

たしかに、「平和憲法を持つ国」である戦後の日本は、憲法9条のおかげで自らの手を血で汚さずに済んできました。しかし、戦後の日本が、憲法9条があるにもかかわらず朝鮮戦争ベトナム戦争といった「アメリカの戦争」に加担し、暴利をむさぼってきたのもまた真実です。そして、いまや日本は、憲法9条があるにもかかわらず世界第5位(2022年現在)*1の強大な軍事力を持つ軍事大国になりました。さらに、戦争法*2を制定することで、憲法9条を変えることなく、日本は世界最強の軍事力を誇る*3軍事超大国アメリカと一緒であればいつでも戦争ができる国になりました。

このように、戦後日本の再軍備*4から今日まで憲法9条がないがしろにされてきたにもかかわらず、改憲さえしなければ「憲法9条をまもる」ことができると護憲派が思っているのであれば、それは大きな勘違いです。また、憲法9条があるから日本は「戦争しない国」だと護憲派が思っているのであれば、それも大きな勘違いです。憲法9条は、世界に誇れる「平和国家ニッポン」の飾り物でもなければ、日本人が「平和の国の民」としての自尊心を保つためのものでもなく、日本が再び戦争の加害者にならないよう国家に遵守させるためのものです。つまり、「憲法9条をまもる」ためには、何よりもまず日本の人民が、憲法9条がないがしろにされている現実をしっかりと認識し、憲法9条をないがしろにしている国家に憲法9条を遵守させることが必要なのです。