葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

ロシアのウクライナ侵攻に抗議する日本の人民が忘れてはならないこと

ロシア各地で反戦デモ、警察は1600人余りを拘束 | ロイター

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在日ロシア人がウクライナ侵攻に抗議活動 大使館前で | 毎日新聞

mainichi.jp

 

在日ウクライナ人 渋谷駅前でロシアによる軍事侵攻に抗議 | NHK | ウクライナ情勢

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ロシアのウクライナ侵攻に関して、日本の人民がウクライナの人民やウクライナ侵攻に抗議するロシアの人民に連帯して反戦を訴えることは、言うまでもなく必要なことです。もちろん、私もロシア・プーチン政権のウクライナ侵攻に断固として抗議します。

ただ、くれぐれも忘れてならないのは、もし日本が他国に軍事侵攻したとして、そのとき日本の人民は同じように反戦を訴えることができるかどうか自問することです。

もしかすると、リベラル派の中には「日本には憲法9条があるのだから、日本が他国へ軍事侵攻することなどあるはずがない」と言う人もいるかもしれません。たしかに、戦後の日本は、憲法9条のおかげで自らの手を血で汚さずに済んできました。しかし、戦後の日本が、憲法9条があるにもかかわらず朝鮮戦争ベトナム戦争といった「アメリカの戦争」に加担し、暴利をむさぼってきたのもまた真実です。そして、いまや日本は、憲法9条があるにもかかわらず世界第5位(2022年現在)*1の強大な軍事力を持つ軍事大国となりました。つまり、もはや日本は「いつでも戦争ができる国」であって、「日本には憲法9条があるのだから、日本が他国を軍事侵攻などするはずがない」とは決して言えないのです。現に日本は、世界の注目がウクライナに集まるその裏で、アメリカとともに対中国戦争の準備を着々と進めています*2。「今日のウクライナは明日の日本だ」とのたまう日本の右翼たちは、大きな勘違いをしています。というのも、いまだ帝国主義を克服できない日本は、依然として侵略する側だからです。

われわれ日本の人民は、ロシアのウクライナ侵攻に抗議しつつも、ロシアのウクライナ侵攻を養分として肥え太る日本の軍国主義への警戒も決して怠ってはなりません。現に日本政府と政権与党である自民党は、軍備増強を正当化する口実としてウクライナ情勢を利用しようと目論んでいます。ロシアのウクライナ侵攻に抗議することは、日本の人民が日本の軍国主義への警戒を怠ることの「免罪符」には決してなりません。

世界平和のために必要なのは、軍事力の増強や軍事同盟の拡大ではありません。それらは戦争を生み出しこそすれ、戦争を抑止することはありません。真に必要なのは、平和を希求する世界人民の連帯です。