葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

日本政府は、日本軍性奴隷制の法的責任を認めて謝罪し賠償せよ。

30年の慰安婦闘争史で「最大の暗礁」…日本政府による謝罪と賠償、行き詰まり : 政治•社会 : hankyoreh japan

 

日本人の多くは、日本軍性奴隷制(日本軍「慰安婦」)問題を「難しい話」だと思っていることでしょう。そして、日本軍性奴隷制問題を「難しい話」にしてしまっているのは、日本をいつまでも許そうとしない韓国だと思っていることでしょう。

たしかに、日本軍性奴隷制問題は一向に解決の兆しが見えません。しかし、だからといって、日本軍性奴隷制問題は「難しい話」では決してありません。

日本軍性奴隷制問題は、日本政府が日本軍性奴隷制による人権侵害の法的責任を認めて謝罪し賠償すればよいだけの話です。つまり、日本軍性奴隷制問題を「難しい話」にしてしまっているのは、いつまでも日本軍性奴隷制による人権侵害の法的責任を認めようとしない日本政府だということです。

日本政府は、2015年の「慰安婦問題日韓合意」によって日本軍性奴隷制問題は「最終的かつ不可逆的に解決され」たと言います*1。しかし、「慰安婦問題日韓合意」は、決して日本軍性奴隷制問題の真の解決にはなりません*2。なぜなら、「慰安婦問題日韓合意」は、「これ以上騒ぐな」と日本の国家責任を棚上げにした「見舞金」*3で被害者の口を封じ、そうして日本の国家責任を忘却させるものだからです。また、それは被害者を支援するどころか、むしろ被害者を分断するものです。

日本政府に対して謝罪と名誉回復および賠償を求めていた被害者の故・金福童さんは、「慰安婦問題日韓合意」について「(日本政府による謝罪と名誉回復および賠償がなければ)1億を受け取っても許すことはできない」と生前おっしゃっていました*4。つまり、日本軍性奴隷制被害者が求めているのは、決して「カネによる解決」ではないということです。

日本政府と当時の韓国の親日政権が日本軍性奴隷制問題を適当なところで手打ちにしたことは、米日韓三角軍事同盟における日韓の協力を期待するアメリカの意向を汲んだものでもあったのでしょう*5。しかし、日本軍性奴隷制が、まさに軍事的利益のために女性の人権を犠牲にしたものであることを考えると、米日韓三角軍事同盟における日韓の協力という軍事的利益のために再び日本軍性奴隷制被害者の人権が犠牲にされるというのは、到底許されることではありません。

日本政府が日本軍性奴隷制による人権侵害の法的責任を頑なに認めようとしないのは、つまるところ日本による朝鮮植民地支配の不法性を認めたくないからです。すなわち、日本軍性奴隷制による人権侵害は、不法な植民地支配下の人権侵害であり、これについて法的責任を認めれば、日本による朝鮮植民地支配の不法性を認めることになるからです。そして、日本による朝鮮植民地支配の不法性を認めれば、「天皇の国」が犯した罪を認めることになるからです。しかし、もし本当に日本政府が日本による朝鮮植民地支配を反省しているのであれば*6、日本による朝鮮植民地支配の不法性を認めることは容易いはずです。それなのに、頑として日本による朝鮮植民地支配の不法性を認めようとしないのは、要するに口先だけの謝罪でしかないということでしょう(ちなみに「村山談話」も、日本政府の法的責任は認めていません。)。

日本軍性奴隷制問題の真の解決は、被害者の方々が皆ご高齢であることを考えると、もはや一刻の猶予も許されません。日本政府は、直ちに日本軍性奴隷制による人権侵害の法的責任を認めて謝罪し賠償すべきです。そして、それこそが日本軍性奴隷制問題の真の解決を実現するための最善かつ唯一の方法です。