あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

麻生「一つの民族」発言問題の本質

「一つの民族」発言、麻生氏が謝罪「誤解生じたなら訂正」 TBS NEWS

 

麻生太郎氏の発言は、単にアイヌ新法と矛盾するから問題なのではありませんし、また、単に「皇国ファンタジー」だから問題なのではありません。

たしかに、麻生氏が言う「(日本が)2000年の長きにわたって、一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民族、一つの天皇という王朝を126代の長きにわたって、一つの王朝が続いている国」だというのは、史実的に誤りです。しかし、おそらく麻生氏は、それが誤りであることを十分わかった上で、あのような発言をしたのでしょう。思うに、麻生氏のような極右主義者にとって、自らの歴史認識が史実的に正しいか否かなどは取るに足らないことです。なぜなら、彼らにとって重要なのは、「日本は天皇を戴く単一民族国家である」という言説が史実的に正しいか否かではなく、その言説がもたらす“効果”だからです。

「日本は天皇を戴く単一民族国家である」というのは、すなわち「日本神話」を共有する民族以外の民族の存在を否定するということです。そして、それは民族殲滅につながるレイシズムであるといえます。つまり、麻生氏の「一つの民族」発言は、民族殲滅につながるレイシズムであるから、これを許してはならないのです。

このように、麻生氏の「一つの民族」発言問題の本質は、麻生氏の発言が皇国史観にもとづく虚妄であることよりも、民族殲滅につながるレイシズムだということにあります。もっとも、そのレイシズムを支えるのが皇国史観であり、天皇制であることは、やはり看過してはならないでしょう。