葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

旭日旗を「日本軍国主義の象徴」にしたのは、ほかでもない日本である。

韓国国会、東京五輪での旭日旗禁止を求める決議:朝日新聞デジタル

 

韓国国会が東京五輪での旭日旗禁止を求める決議をしたことを報じる、朝日新聞の記事。この記事を読んで、私はその論調に疑問を覚えずにいられませんでした。

どうして武田肇記者は、「決議は、旭日旗を『第2次世界大戦当時の日本の帝国、軍国主義の象徴』と位置づけ」たなどと、さも韓国が旭日旗を「第2次世界大戦当時の日本の帝国、軍国主義の象徴」と決めつけたかのような書き方をするのでしょうか。まさか、武田記者の認識は、「韓国が旭日旗を『第2次世界大戦当時の日本の帝国、軍国主義の象徴』と位置づけなければ、旭日旗は『日本の帝国、軍国主義の象徴』ではない」というものなのでしょうか。もしそうであれば、その認識は間違っていると言わざるを得ません。

旭日旗が「日本軍国主義の象徴」であるのは、韓国がそう位置づけるからではありません。アジアを侵略した日本軍の軍旗(軍艦旗)であるから、旭日旗は「日本軍国主義の象徴」なのです。つまり、旭日旗を「日本軍国主義の象徴」にしたのは、ほかでもない日本だということです。

私が疑問を覚えたのは、それだけではありません。「旭日旗は、海上自衛隊が外部指標の自衛隊旗として使用しており、実際に韓国政府が決議に沿って国際行事での排除に乗り出せば、新たな摩擦が生じる可能性がある」というのも、まるで韓国が日本に言いがかりをつけて旭日旗を排除せんとしているかのような書き方です。おそらく武田記者は、海上自衛隊自衛隊旗として旭日旗を使うことに何ら問題はないと認識しておられるのでしょう。たしかに、自衛隊旗として旭日旗が認められているのは事実でしょう。しかし、だからといって本当に海上自衛隊自衛隊旗として旭日旗を使うことに何の問題もないのでしょうか。

日本国は、憲法9条で「戦力の不保持」をうたっているのですから、自衛隊は旧日本軍とは違うものであるはずです。それなのに、どうして自衛隊は「日本軍国主義の象徴」である旭日旗を使うのでしょうか。日本が本当に軍国主義を克服したのであれば、「日本軍国主義の象徴」である旭日旗を使うことなどできないはずです。つまり、韓国に批判されようとされまいと、自衛隊は「日本軍国主義の象徴」である旭日旗を使うべきでないのであり、それにもかかわらず旭日旗を使い続ける自衛隊こそが、日本と韓国の間に摩擦を生じさせる元凶なのです。

先般、日韓マスコミ労組によって「平和や人権が踏みにじられた過去の過ちを繰り返さないよう、ナショナリズムを助長する報道には加担しない」などとする共同宣言が出されましたが*1旭日旗の問題の本質をはぐらかし日本の軍国主義を正当化せんとする武田記者の記事は、「ナショナリズムを助長する報道」であると言わざるを得ないでしょう。日韓マスコミ労組の共同宣言にもあるように「平和や人権が踏みにじられた過去の過ちを繰り返さない」ためにも、朝日新聞にはこれ以上韓国敵視を煽り排外主義的なナショナリズムを助長する報道には加担してほしくないと、私は朝日新聞の一読者として思います。