葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

かけがえのない「平和憲法」を未だ克服されない日本軍国主義の「隠れ蓑」にしてはならない。

「平和国家」はどこへ | 毎日新聞 mainichi.jp たしかに、「戦後」の日本はかけがえのない「平和憲法」を持つ国です。しかし、はたして「戦後」の日本は、本当に「平和国家」だといえるでしょうか。 「戦後」の日本は、日本が犯した侵略戦争への深い反省に基…

「外国人の人権を守らない国は、自国民の人権も守らない」ことは、「外国人の人権保障」における本質的な問題ではない。

「外国人の人権保障」について、「外国人の人権を守らない国は、自国民の人権も守らない」と言う人がいます。 「外国人の人権を守らない国は、自国民の人権も守らない」というのは、たしかにそのとおりです。しかし、「外国人の人権を守らない国は、自国民の…

「ネット右翼」や「某論破王」相手にまともな議論は成り立たない。

ジャン=ポール・サルトル先生は1946年に発表した『ユダヤ人問題の考察』で、いわゆる「反ユダヤ主義者」について次のように語っています。 今、わたしは、反ユダヤ主義者達の「言葉」をいくつか並べたが、それは、みんな馬鹿気ている。「わたしは、ユダヤ人…

「テロ」が民主主義の根幹を揺るがすのではなく、民主主義の崩壊が「テロ」を招く。

若い男が威力業務妨害容疑の現行犯で逮捕された。動機が何であれ、暴力で目的を果たそうとすることは許されず、民主主義の根幹を揺るがす暴挙以外の何ものでもない。 政治家が聴衆と直接、触れ合う街頭活動は、市民と政治をつなぐ貴重な機会だ。そこにつけこ…

本当にどうでもいい話

私の心を煩わせる不安や執着など、他人からすれば本当にどうでもいいことばかりでしょう。 それに、そもそも私が思っている以上に、世間の人たちは私のことなんて気にもしていないに違いありません。つまり、世間の人たちが私のことをどう思っているか気にし…

「維新」の躍進と「立憲野党」の存在意義

統一地方選挙 目立つ「維新」の躍進 | TBS NEWS DIG newsdig.tbs.co.jp 維新の会が支持される理由を「立憲野党」*1が知ることは、たしかに大事です。しかし、それは決して「立憲野党」が選挙に勝つために維新の会と同じことをするためではありません。維新の…

「『防衛力』強化資金」とは、憲法9条に違反する軍事力を強化するための資金である。

「防衛力強化資金」創設法案 立民 維新 国民“十分な審議確保を” | NHK | 自衛隊 www3.nhk.or.jp 「『防衛力』強化資金」について、国民の中には「『防衛力』強化のためなら仕方ない」と思う人も少なくないでしょう。しかし、「防衛力」という言葉を額面どお…

上念司氏の朝鮮学校「スパイ養成」発言は、紛れもなくヘイトスピーチである。

北朝鮮のミサイル発射実験について議論する際、経済評論家の上念司氏が、朝鮮学校について「OBが日本人拉致に関わっていたりする」「スパイ養成的なところもあったり」などと発言した。 朝鮮学校めぐる発言で、MBSラジオ幹部「一部配慮足りなかった」:朝日…

日帝強制動員問題(徴用工問題)の解決は、「国益の観点から、国民のため」にするものではない。

尹氏は韓国政府が6日に発表した徴用工の訴訟の問題をめぐる「解決策」について、「国益の観点から、国民のため」に下した結論だと強調した。 日本に「ふさわしい行動期待」 合意空文化の懸念、尹大統領の答えは [徴用工問題]:朝日新聞デジタル 日帝強制動員…

被害者の尊厳を蔑ろにして加害者を免責する「解決策」では、日帝強制動員問題は決して解決しない。

徴用被害者「物乞いするような金は受け取らない」 韓国政府解決策に反発 | 聯合ニュース jp.yna.co.kr まず忘れてならないのは、日帝強制動員問題(徴用工問題)は日帝による朝鮮植民地支配下における被告企業による人権侵害についての責任問題であり、すな…

ブログ再開のお知らせ

最愛の人である母を失った深い悲しみから未だ立ち直れずにいる私ですが、そんな私の個人的な事情などおかまいなしに日帝強制動員問題は周知のとおり(梶村秀樹先生の言葉を借りて言えば)「非常に緊迫した状況」となってしまっています。そのため、どうして…

無題

最愛の人である母を失い、深い悲しみに暮れる日々を過ごす私です。 私の生は、今はもう自分の人生に意味を与えることができないほどに衰弱してしまいました。 もしかすると、私がこの深い悲しみから立ち直ることができる日はもう来ないのかもしれません。 こ…

お知らせ

いつも拙ブログをご愛読いただきありがとうございます。 突然ですが、しばらくの間ブログの更新を休止いたします。 これは私が、ブログ記事を書くことができる精神状態ではないことによるものです。 いつかまたブログ記事を書くことができる精神状態になりま…

私が日本共産党に望むこと

これまで私は、左翼として日本共産党を批判しながらも支持してきました。そんな私が日本共産党に望むことは、天皇制や日本軍「自衛隊」に対する態度における右翼日和見主義を克服し、「愛国の党」*1からプロレタリアート人民の前衛政党という原点へ回帰する…

口先だけの「反省とおわび」なら意味がない。

歴代内閣の「反省とおわび」の継承 徴用工問題で日本政府が表明検討 [岸田政権] [徴用工問題]:朝日新聞デジタル www.asahi.com もちろん、日本政府が、歴代内閣が示してきた植民地支配と侵略に対する「反省とおわび」について、現在も継承していると表明す…

敵基地攻撃能力の保有は、明らかに専守防衛から逸脱する。

岸田首相「反撃能力は、弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、武力行使の3要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として行使するものであり、専守防衛から逸脱するものではありません」 “反撃能力”保有 岸田首相「…

「韓国文化を楽しむ」ことは、日本人が自国の加害の歴史を忘れることの免罪符にはならない。

久しぶりに日韓関係において明るい話題が多い中、やや気になる動きがある。一部の日本の若者の間で、「韓国文化を楽しむには日本の植民地支配への反省が必要だ」という考え方が一定の支持を得ていることだ。文化を楽しむにも、加害者と被害者という構図にと…

徴用工問題は、徹頭徹尾日本の被告企業と日本政府の責任問題である。

社説:徴用工問題の韓国案 解決へ向け日本も協力を | 毎日新聞 mainichi.jp 上掲の毎日新聞の社説を見ても分かるように、日本ではあたかも韓国政府が徴用工問題(日帝強制動員問題)の解決について第一義的な責任を負っているかのような論調が主流を占めてい…

「新しい戦前」についての私見

タモリ「来年は新しい戦前になる」発言、経済学者の金子勝氏が賛同「お笑い界の人はすごい」 - 芸能 : 日刊スポーツ www.nikkansports.com 昨年(2022年)末に、タモリ氏が「来年(2023年)は新しい戦前になる」と発言したことが話題を呼んでいます。 タモリ…

「法治主義」についてのよくある誤解

「法治国家である以上、法律は守られなければならない」というようなことを言う人が少なからずいます。そういう人は、「法治主義」を遵法精神のようなものだと思っているのでしょう。しかし、「法治主義」は遵法精神のようなものではありません。 「法治主義…

私は「令和ファシズム体制」下を「自由な個人」として生き延びることができるだろうか。

「自由な個人」として生きることを許さない、そんな「空気」が日本社会の隅々まで支配しつつあることをひしひしと肌で感じるようになりました。 「厳しくも慈悲深い天皇の国」の政府は、「ヒノマル」の旗の下、「アメとムチ」で人民を「国民」という名の臣民…

政府とマスメディアは「『防衛力』の抜本的強化」問題の論点をはぐらかすな。

岸田政権がめざす「『防衛力』の抜本的強化」について、「防衛力の抜本的強化には賛成だが、そのための増税には反対である」という論調が主流を占めています。しかし、かかる論調は、岸田政権がめざす「『防衛力』の抜本的強化」問題の本質を履き違えたもの…

憲法に違反する「反撃能力」の保有に断固反対する。

自民・公明 “安保3文書”案で合意 「反撃能力」保有を明記 | NHK | 自衛隊 www3.nhk.or.jp 政府が「反撃能力」と呼ぶ敵基地攻撃能力の保有について、おそらく国民の多くは「日本が外国から武力攻撃を受けた場合に反撃する能力の保有」だと思っているでしょう…

表現の自由は、「放言の自由」でも「批判されない特権」でもない。

表現の自由が人権として憲法で保障されているのは、単に「自由」だから保障されているのではありません。表現の自由が人権として憲法で保障されているのは、人権として憲法で保障する価値があるからです。 表現の自由には、二つの大切な価値があります。一つ…

「防衛費」増額の本質的な問題は何か

防衛費増額の財源 自民会合で「増税は唐突」批判意見相次ぐ | NHK | 自衛隊 www3.nhk.or.jp 岸田政権がめざす「防衛力」の抜本的強化に伴う「防衛費」増額に関して、財源をどうするかという問題が盛んに議論されています。 たしかに、財源確保のために増税さ…

天皇制は、民主主義と敵対的に矛盾する。

右翼のみならず「リベラル派」の中にも、天皇制は民主主義と両立しうると考える人が、少なからずいるようです*1。 現に天皇制は、民主主義国家を標榜する戦後の日本に「象徴天皇制」という形で存在し、国民の多数がそれを支持しています*2。しかし、それでも…

「両国の合意により日本は韓国を併合した」という言説は欺瞞である。

kotobank.jp いわゆる「韓国*1『併合』」(1910年)について、日本では「両国の合意により日本は韓国を併合した」という言説が主流です。かかる言説が日本で主流を占めているのは、つまるところ日本の韓国に対する植民地支配が天皇の名のもとに行われたもの…

「外国人の人権保障」の問題の本質

外国人受け入れ拡大から考える 問題は日本の人権保障 憲法季評:朝日新聞デジタル www.asahi.com 上掲のコラムで、名古屋大学の松尾陽教授は次のように述べています。 外国人の人権保障を厚くすべきだという意見に対しては、日本人の権利も大切ではないかと…

「外国人参政権」を実現することは、完全な民主主義を実現することである。

「外国人参政権」に反対する人たちは、「外国人参政権」が国民主権あるいは民主主義に反すると主張します。 国民主権における「国民」が、もし日本国籍者に限られるとすれば、「外国人参政権」は国民主権に反することになるでしょう。しかし、国民主権の本質…

「民度」という植民地主義的な言葉を平気で使う人たち

「民度」という言葉があります。この言葉を悪気なく使う人は少なくありませんが、私は「民度」という言葉に抵抗感を覚えます。 「民度」という言葉は、よく他民族蔑視の文脈で「○○人は民度が低い」というふうに、あるいはその裏返しである自民族の優位性を誇…