葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「日韓関係」を非対称に歪めている構造的原因

韓国の与野党4党、GSOMIAの条件付き延長を肯定的に評価…正義党は「深く失望」 : 政治•社会 : hankyoreh japan

 

韓国政府が韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を条件付きで猶予することを決定したことについて、韓国国民の中には文在寅政権の対日姿勢を弱腰と非難する非難する人も少なくないかもしれません。韓国で行われた世論調査によれば、回答した韓国国民の過半数がGSOMIAの終了を支持したとのことです*1*2

たしかに、今般の「GSOMIA問題」のきっかけは日本政府の韓国に対する経済報復であることに鑑みれば、韓国政府が譲歩する必要はないでしょうし、韓国政府の決定は日本政府を付け上がらせる*3悪手だったと思います。しかし、「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」の下では、誰が韓国大統領であろうと同じ結果になっただろうと思います。つまり、「GSOMIA問題」で韓国政府の対日姿勢が弱腰だとすれば、それは文在寅大統領に原因があるのではなく、「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」に原因があるということです。

つまるところ「日韓関係」を非対称に歪めているのは、「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」です。そもそも、かつての朴正煕政権や全斗煥政権のような“親日”軍事政権が韓国に存在することが、安定した「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」を維持するための条件です。つまり、「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」は、韓国の民主主義とは相容れないものなのです。それは、今般の「GSOMIA問題」で韓国政府が世論調査で示された民意よりも、「米日韓三角軍事同盟」とそれを支える「日韓65年体制」を優先してしまったことからも明らかです。

「日韓関係」の非対称な歪みを正すには、、安倍政権のような日本の極右政権を倒すだけでは足りず(もっとも、それは「日韓関係」の非対称な歪みを正す上で必要不可欠なことではありますが。)、構造的原因である「日韓65年体制」とそれが支える「米日韓三角軍事同盟」を解体しなければなりません。そうして、「日韓65年体制」とそれが支える「米日韓三角軍事同盟」を解体したとき、韓国の人民は「帝国」の植民地支配から真に解放され、日本の人民は日本の真の民主化へ確かな一歩を踏み出すでしょう。