葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

火山島のマッコリ

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済州島(チェジュド)で、生マッコリを飲んだ。

美味いマッコリのツマミは、白菜の古漬けと山菜のナムルで十分だ。むしろ、美味いマッコリには、そんなツマミが嬉しい。

マッコリ杯に注げばシュワシュワと躍る泡は、この火山島の湧き上がる生だ。そんな、この火山島の生が宿ったマッコリは、これまで多くの島人に生の悦びをもたらし、あるいは、島人の傷つけられた生を癒してきたにちがいない。

済州島の母なる山、漢拏山(ハルラサン)からの贈り物である火山岩盤水で醸されたマッコリを、私もありがたくいただく。火山島のマッコリは、一介の旅人である私にも分け隔てなく、至福のときをもたらしてくれる。まるでこの火山島の島人のように、優しい酒だ。もっとも、それはただ優しいだけではない。火山島の厳しい生活を生き抜いてきた島人のように、力強さを併せ持つものだ。優しくて力強い酒、それが済州島の生マッコリである。

またいつか会いに行こう、あの火山島のマッコリに。ツマミは、白菜の古漬けと山菜のナムルで十分だ。