あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

「朝鮮総連の影響」も「拉致問題」も「核問題」も、朝鮮学校差別を正当化する理由にはならない。

朝鮮学校の授業料無償化除外は「適法」 最高裁で確定:朝日新聞デジタル

 

去る8月28日(なお、決定は27日付)、最高裁判所は、朝鮮学校を高校の授業料無償化の対象から除外した国の処分が違法だったかどうかが争われた訴訟で、「(朝鮮学校の)教育内容や人事に朝鮮総連が影響を及ぼしている」などとした公安調査庁の調査を根拠に無償化の対象外とした判断は「裁量権の範囲を逸脱したものとはいえない」と認定した一、二審判決を支持し、東京朝鮮中高級学校の卒業生らの上告を退けました。つまり、日本の司法府は、「朝鮮総連の影響」などが、日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由となることを認めたのです。

安倍政権は、日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由として、「朝鮮総連の影響」や「『北朝鮮』の核問題」、「『北朝鮮』による日本人拉致問題」といったことを挙げています*1。おそらく、日本国民の多くも、これらが、日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由になるものと考えているでしょう。しかし、これらは日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由には決してなりません。

朝鮮学校に対する「高校無償化」除外が問題となったのは、2012年のことです*2。それゆえ、日本政府による朝鮮学校差別を「昨日今日の話」だと思っている日本国民も少なくないかもしれません。しかし、それは誤解です。在日コリアンの民族教育に対する差別と弾圧は、昨日今日に始まったことではありません。それは、日本の敗戦後間もない頃(1950年前後)から*3*4、(美濃部都政のような)若干の例外はあるにせよ、ほぼ一貫して行われてきたことです。一方、安倍政権が日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由として挙げる「朝鮮総連の影響」ですが、朝鮮総連が結成されたのは「阪神教育闘争」や「3.7事件」より後の1955年のことです。また、「『北朝鮮』による拉致問題」が発覚したのは1980年頃であり、「『北朝鮮』の核問題」も、朝鮮(DPRK)が秘密裏に核開発を行っているとの疑惑が生じたのは1990年代前半のことです*5。つまり、日本政府は、「朝鮮学校朝鮮総連の関係構築」や「『北朝鮮』による日本人拉致問題の発覚」、「『北朝鮮』による核開発疑惑」以前から在日コリアンの民族教育を差別し弾圧してきたということであって、安倍政権が日本政府の朝鮮学校に対する差別を正当化する理由として挙げる「朝鮮総連の影響」や「『北朝鮮』の核問題」、「『北朝鮮』による日本人拉致問題」は、いずれも「後付けの言い訳」にすぎないのです。

国連子どもの権利委員会が日本政府へ勧告したように*6、日本政府の朝鮮学校に対する差別は、子どもの権利条約28条・30条が保障する「民族教育を受ける権利」の侵害であり、子供の権利条約に違反するものです。そうだとすれば、このような日本政府の朝鮮学校に対する差別を追認する今般の最高裁決定こそ、まさに国際法に反するものだといえます。日本政府は、韓国との間の日帝強制動員問題(徴用工問題)に関し、「徴用工訴訟で韓国大法院が下した判決は国際法違反である」などというデタラメな言説*7を用いて、「韓国側に対して一連の大法院判決により、韓国側によってつくり出された国際法違反の状態を解決することを求めていきたい」などと述べていますが*8、日本政府こそ、日本政府の国際人権規約人種差別撤廃条約及び子どもの権利条約に違反する朝鮮学校差別によってつくり出された国際法違反の状態を解決すべきです。

私は、日本政府による朝鮮学校差別を、絶対に許容しません。