あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

本当に必要なのは、「復興」ではなく「再生」である。

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東日本大震災から8年。政府や国民にとっての最大の関心事は、やはり「震災からの復興」でしょう。

しかしながら、私は当たり前のように使われる「復興」という言葉に、いささか疑問をもっています。つまり、被災地にとって本当に必要なのは「復興」、すなわち「一度衰えたものの勢いを再び取り戻すこと」でしょうか。

思うに、被災地にとって本当に必要なのは、「復興」ではなく「再生」です。もっとも、私がここで言いたい「再生」は、かつて野田政権が掲げた「日本再生」*1のようなものとは違います。私がここで言いたい「再生」は、人が「尊厳ある人間」として再び生きることのできる場所を創造することです。失われた過去を取り戻すことは、もはやできません。たとえ形だけ取り戻したとしても、それは嘘で塗り固められた虚構です。大切なのは、「取り戻す」ことではなく、「創造する」ことです。

この8年の間、たしかに日本社会は「復興」に取り組んできたといえるでしょう。しかし、福島原発事故にまつわる諸問題を見ても分かるように、「一度衰えたものの勢いを再び取り戻」そうとするあまり、未解決の問題を隠蔽し、あるいは忘却させようとしてきたことも否定できません。たとえ被災地が、形だけかつての勢いを再び取り戻したとしても、人が「尊厳ある人間」として再び健康で文化的に生きることのできる「場」とならないのであれば、そのような「復興」など無意味です。どうか、くれぐれも「復興」の美名の下に人間を切り捨てないでください。