葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

「森友学園問題」の本質

《3分でわかる》森友学園財務省の文書「書き換え」疑惑をイチから振り返ってみました

https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/11/moritomo_a_23382926/

 

いわゆる「森友学園問題」に関して、行政府が立法府を欺くために公文書を改ざんするという議会制民主主義を根底から揺るがす犯罪に対して、連日多くの市民から抗議の声が上がっています。

もちろん、行政府が立法府を欺くためにした公文書の改ざんが許されざる犯罪であることは言うまでもありません。ただ、そもそもなぜ安倍政権の下で、森友学園に対して不正の疑いが濃厚な国有地の売却がなされたのでしょうか。未だ安倍首相夫妻は関与を否定していますが*1、これまで明らかになった事実に鑑みれば、安倍首相夫妻が関与していると考えて間違いないでしょうし、安倍首相夫妻が森友学園の教育方針に共感し支援していたのは周知の事実です。そうだとすると、安倍政権は、森友学園を通じていったい何を実現しようとしていたのでしょうか。思うに、これこそが「森友学園問題」の本質です。公文書の改ざんも当然重大な問題ですが、それだけにとらわれると「木を見て森を見ず」になりかねません。私たちは、ここで今一度「森友学園問題」の本質を振り返る必要があります。

それでは、安倍政権は、森友学園を通じていったい何を実現しようとしていたのでしょうか。ご存知のように、安倍首相夫妻が共感していた*2*3森友学園の教育方針とは、森友学園が運営していた幼稚園で園児に施していた“教育”からも分かるように、極右排外主義的なものです*4*5。そして、このような森友学園の教育方針は、安倍政権の価値観とも軌を一にするものです。不正の疑いが濃厚な国有地の売却への安倍政権の関与については、一日も早い真相解明が待たれますが、もし安倍政権が関与しているとすれば(以下、安倍政権の関与を前提として話を進めることをお断りしておきます。私は、安倍政権の関与が、そう遠くないうちに明らかにされるであろうことを信じています。)、安倍政権は、森友学園を通じて極右排外主義的な価値観をもった国民を育成しようとしていた、ということがいえます。

このことから分かることは、問題の公文書改ざんも、森友学園に対する不正の疑いが濃厚な国有地の売却も、それ自体が目的ではなく、安倍政権が極右排外主義を実現する手段として行われたものである、ということです。つまり、安倍政権が極右排外主義を実現するために、いともたやすく行政が歪められてしまったのです。そして、このような政権は、極右排外主義を実現するためであれば平気で人間の尊厳を踏みにじるでしょう。否、すでにこのような政権は、極右排外主義を実現するために「法の支配」を歪め、「歴史」を歪めるなど、ありとあらゆる方法で人間の尊厳を踏みにじってきました。例えば、本来は普遍的なものである人権を、あたかも「国民固有の権利」であるかのように曲解し、人権を奪ってきたように。あるいは、日本の過去の「負の歴史」を修正することで侵略戦争と植民地支配を正当化せんとし、被害者の尊厳を踏みにじってきたように……。

繰り返し言いますが、「森友学園問題」は、公文書の改ざんや国有地の不正売却にだけとらわれると「木を見て森を見ず」になりかねません。「森友学園問題」は、安倍政権が極右排外主義的であり、そのような政権によって日本社会に極右排外主義が蔓延した(そして、そのような極右排外主義を蔓延させる安倍政権を許容する土壌を培ってきたのは、他でもない自民党政権です。)がゆえに起こったものなのです。思い出してください、そもそも森友学園がクローズアップされたのは、前述したように森友学園の教育方針が極右排外主義的であり、それが安倍政権の価値観とも軌を一にするものだったからです。

さらに言えば、「森友学園問題」はあくまでも「氷山の一角」です(もちろん、大きな一角であることに間違いありませんが。)。そしてまた、安倍政権自体も(前エントリで述べたとおり*6)あくまでも「氷山の一角」です。

森友学園問題」を解決するためには、もちろん安倍政権を終わらせることが絶対必要です。しかし、それだけでは「森友学園問題」は再び、三度、姿を変えて現れるでしょう。私たちは、「森友学園問題」を真に解決するためにも、この国から極右排外主義を私たちの手で葬り去らなければならないのです。