私は「路地裏」を愛している。しかし、その「愛」はいささか暴力的かもしれない。
路地裏は、決して簡単に私を受け入れようとはしない。しかし、それゆえに私は闖入したくなる。
この路地を進んだ先には、いったい何があるのだろう?もしかすると、そこにあるのは「無」なのかもしれない。しかし、そこに何があるかなどさしたる問題ではない。私にとって大切なのは、路地裏の神秘を暴くことである。
路地裏への闖入に成功した私は、恐怖と不安を感じると同時に、奇妙な安堵感を覚える。
路地裏は、「愛」で私を包み、人間を殺す「暴力」から私を守ってくれる。しかし、その「愛」はいささか暴力的かもしれない。
それでも、私は「路地裏」を愛している。たとえ、互いに傷つけあうとしても。