葦辺の車家ブログ

自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない車家(くるまや)ゆきとが感じたこと・考えたことをそこはかとなく書き綴ります。

私の친구(友)であるピンデトックは、マッコリの最良の친구である。

「韓国の酒」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、おそらくマッコリ(막걸리)だろうと思います。

そして、日本では、マッコリはホルモン(モツ)をつまみながら飲まれることが多いだろうと思います。

事実、マッコリとホルモンは相性抜群です。

しかし、私は韓国でモツをつまみに一杯やるときは、マッコリではなくソジュ(焼酎)を飲みます。それというのも、韓国にはマッコリの「最良の友」がいるからです。

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マッコリの「最良の友」――その名は、ピンデトック(빈대떡)。このピンデトック、見た目は日本でもおなじみのチヂミ(韓国では、「ジョン」という呼び名が一般的です。)とよく似ていますが、チヂミとは違い、緑豆を挽いた粉が生地に使われます。食感も、私の貧相な語彙で表現すれば、チヂミが「カリカリもちもち」であるのに対して、ピンデトックは「カリカリふわふわ」といった感じです。

なぜピンデトックがマッコリの「最良の友」なのか。思うに、ピンデトックは豚脂を使って焼かれるのですが、程よい酸味のある生マッコリ(この「生」というのは、とても重要なことです。)で口の中の油を洗い流す爽快感、というのもあるでしょう。しかし、それはホルモンも同じでしょうから、おそらくそれだけではないはずです。

ピンデトックがマッコリの「最良の友」なのは、やはり私のような韓国の酒場を放浪する左党にとって、マッコリも、ピンデトックも、どちらもいつでも肩肘張らず気軽に付き合えるチング(友)だからなのだと思います。

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韓国の左党の間では、「雨が降るとマッコリを飲みながらピンデトックが食べたくなる」という言い伝えがあるそうです。そんなロマンティックな(?)エピソードもあるチングたちと韓国の酒場で過ごす時間は、私にとってささやかながら贅沢な至福の時間です。