あしべの自由帳

こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく。主にラブとピースとエロスにまつわるetc.について考えています。

或る正義漢の独白

彼は言う。

「私は、彼らの幸福を護るために、日夜戦っている。だが、当の彼らは、私の足を引っ張ることしかしないのだ。いったい彼らは、私が誰のた めに戦っていると思っているのだろうか。私が、彼らの幸せを護るために戦っていることがどうして分からないのか。そのことが分からない彼らなど、いっそのこと不幸になってしまえばいい……。

そんなことを言う私を、或る人はこう批判する。

『あなたは誰のために、何のために戦っているのか。あなたは、彼らのために、彼らの幸せを護るために戦っているのではない。あなたは、己のために、己の自尊心を満たすために、そして己の存在の意味を確かめるために戦っているのだ。彼らは、それを見抜いている。あなたには分からないだろうが……』

違う。それは違う。

私は、彼らの幸せを護るために戦っているのだ。決して、己の自尊心を満たすために、己の存在の意味を確かめるために戦っているのではない 。

あなたは、私が『偽善者』だとでも言うのか。ならば、私を批判するあなたも『偽善者』だ。なぜなら、あなたが私を批判するのは、決して私のためではなく、あなたが己の自尊心を満たすために、そして己の存在の意味を確かめるためなのだから……。
そう、私が偽善者ならば、あなたも偽善者だ。私もあなたも偽善者だ。誰も彼もが偽善者だ。」