昔はどちらかといえば旅嫌いな私でしたが、最近は時々ふと旅に出たくなります。
行きたい場所は、何度か訪れたことのある場所であったり、または全く未知なる場所であったり……。
ところで、全く未知なる場所への旅というと、どこか遠くへ旅するイメージが浮かぶかと思われます。ですが、「全く未知なる場所」は、果たして常に遠くにある場所なのでしょうか。
いま、私の手元にある私の住む市の地図を広げてみれば、もちろん地図を見ただけで情景が頭の中に浮かぶ場所もあります。しかし、自分の住んでいる市であるのに情景がまるで浮かんでこない場所もあります。また、家の近所を散歩している時に、なんとなく気になった路地へと入った瞬間に初めて見る風景が視界に広がる、なんていうことをしばしば経験することがあります。
もしかすると、「全く未知なる場所」は、意外と近いところにあるのかもしれません。