あしべの自由帳

こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく。主にラブとピースとエロスにまつわるetc.について考えています。

世界の数は、いくつある?

恋愛シミュレーションゲーム(いわゆるギャルゲー)をプレイしたことのある方であればご存知だと思いますが、かかるゲームの多くにおいて、「マルチエンディング方式」が採られているのが一般です。その結果、恋愛シミュレーションゲーム内では、複数の世界が存在することとなります。

このことを現実の世界と比べてみると、なにか不自然というか、技巧的な感じがするのは否めないでしょう。つまり、「世界はひとつ」というのが、わたしたちのごく自然な感覚なのではないかと。

しかし、それはゲームの主人公(≒プレイヤー)を主体として世界を考えるからであって、それぞれのヒロインを主体として考えるのであれば、世界がヒロインの数だけ、個別にそして複数存在することは至極自然であるといえるのではないでしょうか。

そしてまた、世界が個別にそして複数存在することは、なにもゲームの世界だからというのではなく、わたしたちの現実の世界においてもいえるものと考えられます。

というのも、たしかに先に述べたように「世界はひとつ」というのが、わたしたちのごく自然な感覚であるといえます。しかし、「わたし」を主体とする世界においては「あなた」はわたしの世界の客観的な存在のうちのひとつの存在ですが、逆に「あなた」を主体とする世界においては「わたし」はあなたの世界の客観的な存在のうちのひとつの存在であるように、「わたし」と「あなた」の存在態様を異にする二つの世界を考えることができます。

また、たとえ「わたし」が死ぬことで「わたし」を主体とする世界が消滅したとしても、「あなた」を主体とする世界がそれによって消滅したりすることはありません(「あなた」を主体とする世界の客観的存在のうちのひとつである、「わたし」の存在が消滅することはもちろんありますが)。

わたしたちは、それぞれが世界の主体であるがゆえに、このことに気付かずあたかも「世界はひとつ」であるのが真実であると思い込んでいるだけなのであって、世界が個別にそして複数存在することは決して恋愛シミュレーションゲームにおける技術的工夫にすぎないものではなく、むしろ世界の本来的性質であるといえるのかもしれません。