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あしべの自由帳

こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく。主にラブとピースとエロスにまつわるetc.について考えています。

そんなに「エロ」は悪いのか?

「エロは悪い。」

おそらく、現代の日本ではこの命題は「常識」であるといえるでしょう。

そして、なぜ「エロが悪い」か、その理由を問えば、

「いやらしい」「下品である」「低俗だ」「子供の健全な育成を阻害する」

……などなど、さまざまな答えが返ってくるかと思われます。

しかしながら、「いやらしいとは何か?」「なぜ低俗なのか?」「健全な育成とは?」とさらに問うていくならば、結局のところ根本的な答えを明確に出すことはできないのではないかと思うのです。つまり、「悪いものは悪い」のだという、答えにならないような答えしか出せないのではないかと。

私が思うに、現代の日本を支配する「エロ」を悪とする倫理は、生を否定するキリスト教的倫理が形骸化したものにすぎないのではないでしょうか。

古くからの土着信仰にみられる男根崇拝などに鑑みても、日本においては<生=性>を否定するより肯定する思想が本来的であったのではないかと考えられます。とすると、現代における性的なものを恥ずかしいものとする倫理は<生=性>を否定するキリスト教的倫理の影響によるものであると言えましょう。

このように考えることに対しては、「日本はキリスト教国ではないのに、どうしてキリスト教的倫理の影響をうけるのか?」との疑義が当然呈されるものと思われます。

しかし、明治以降の絶え間ない急激な西洋文化の流入(もちろん明治以前からも西洋文化は流入していたでしょうけど)にともなってキリスト教的倫理の形骸化した価値観が、知らず知らずのうちに私たちの価値観の中に侵食してしまっているのではないでしょうか。

ともあれ、昨今のアニメ・漫画における性表現規制の問題を考えるにあたっても、「なぜエロは悪いのか」についていまいちど考えてみることは有益なことであると思うのです。