あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

「靖国神社での軍装コスプレ大会」について思うこと

togetter.com 8月15日の「敗戦記念日」に靖国神社を舞台に繰り広げられる「軍装コスプレ大会」について、「戦没者を静かに追悼する場である靖国神社でこんなことをするなんて、不謹慎にもほどがある」と眉を顰める人は少なくないでしょう。 たしかに、私も…

“戦後世代”の日本人の「責任」

「戦後生まれの私が、過去の日本が犯した侵略戦争や植民地支配という、自分のあずかり知らないことで責任を問われるのは理不尽である」と考える “戦後世代”の日本人は、決して少なくないでしょう。 過去の日本が犯した侵略戦争や植民地支配が、“戦後世代”の…

語り継ぐべき「もうひとつの歴史」

先月、長野を旅した私は、長野市の南部に位置する松代を訪れました。 松代は、「真田丸」でおなじみ真田十万石の城下町として栄えた、歴史のある町です。 しかし、この町には真田十万石の城下町として栄えた歴史のほかに、「もうひとつの歴史」があります。…

#好きです韓国 であればこそ

「日韓関係は私たちが守る」、ネットユーザーの間で広がる”好きです”ハッシュタグ│日韓関係│wowKora(ワウコリア) 「韓国が好きか」と問われれば、もちろん私は韓国が好きです。しかしながら、「#好きです韓国」や「#좋아요_한국」といったハッシュタグを付け…

平和の少女像を「不快だ」と言う日本国民へ

名古屋、あいちトリエンナーレ「平和の少女像」展示中止 : 日本•国際 : hankyoreh japan 「表現の不自由展・その後」の展示中止に賛成する日本国民のみならず、反対する日本国民の中にも、平和の少女像を「不快だ」と言う人が少なくありません。彼らは、なぜ…

「対韓輸出規制」は、徹頭徹尾「日本政府の植民地主義的な暴力」の問題である。

www.asahi.com いわゆる「対韓輸出規制」を、「日韓の政治的対立」の問題であると理解する日本国民が少なくありません。日本のマスメディアによる報道に接していると、そう理解してしまうのも無理はないのかもしれません。しかし、その理解は「木を見て森を…

「日韓関係悪化」の根本原因は、「ナショナリズムの衝突」などではない。

昨今の「日韓関係の悪化」について、日本国民の中には「日韓の政治対立は、ヘイトスピーチを繰り返して日本人の『嫌韓』感情を煽る日本のネット右翼と、歴史問題を繰り返し持ち出して韓国人の『反日』感情を煽る韓国の市民という、日韓双方の『偏狭なナショ…

「日韓関係の悪化」を「どっちもどっち」論で語る日本国民の誤解

昨今の「日韓関係の悪化」を、「どっちもどっち」論で語る日本国民が少なくありません。「日本でも、韓国でも、政治家がお互いの対立を煽っている」あるいは「日本の『嫌韓』も悪いが、韓国の『反日』も悪い」と言う彼らは、問題の本質を「日韓の政治的対立…

「『嫌韓』は『韓流』に対する反発である」という浅薄な認識

「『嫌韓』は『韓流』への反発だ」と言う人がいます。もしかすると、彼は「フジテレビ抗議デモ」や「花王不買運動」から「『嫌韓』は『韓流』への反発だ」という認識を有するに至ったのかもしれません。しかし、それは浅薄な認識です。 まず、そもそも「嫌韓…

なぜ日本政府は、日本企業が日帝強制動員損害賠償判決を履行することを妨げるのか。

「徴用工問題」と呼ばれる、日帝植民地支配下の朝鮮で行われた日本企業による強制労働の問題は、日本企業が韓国大法院の下した判決を誠実に履行し、それを日本政府が妨げなければよいという、それだけの話です。それなのに、なぜ日本政府は、日本企業が判決…

強制労働被害者こそ「我慢の限界」だ。

www.asahi.com まるで、日本が徴用工問題における「被害者」であるかのような論調の記事ですが、いったいいつから日本が徴用工問題における「被害者」になったのでしょうか。 そもそも、徴用工問題で日本の植民地支配の不法性が問われたことの腹いせとして植…

「まるで北朝鮮のようだ」は、なぜ問題か。

安倍政権の暴政やNHKの翼賛的な報道を批判するに際して、「まるで北朝鮮のようだ」と朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮と略す)を引き合いに出すリベラル派が少なくありません。 彼らは、「北朝鮮を蔑視しているのではなく、北朝鮮の体制を批判しているの…

それでもあなたは「ヘイトスピーチも表現の自由に含まれる」と言いますか?

www.kanaloco.jp ヘイトスピーチ禁止条例に刑事罰を設ける最大の意義は、ヘイトスピーチが、憲法によって自由が保障される表現ではなく、マイノリティの人権を侵害する犯罪であることをはっきりと日本社会に示すことであると思います。 もっとも、このように…

「謝罪」と「赦し」は、「過去を水に流す」ためのものではない。

www.asahi.com 「日本は戦争で傷つけた人たちや植民地にしていた方々に対し、『もう、これ以上謝らなくてもいい』と言ってくれるまで、心の中で謝罪する気持ちを持ち続けなければならない」という、この鳩山氏の持論に共感する日本のリベラル派は、おそらく…

民主主義は、器より中身が大事だ。

「我が国は成熟した民主主義の国だ」、そう信じて疑わない日本国民は、おそらく少なくないでしょう。 たしかに、日本は政治体制として議会制民主主義を採用しています。しかし、はたしてそれだけで「成熟した民主主義」であるといえるでしょうか。 議会制民…

「日韓の草の根交流」は、歴史を忘れるためのものではない。

www.asahi.com まずはじめにお断りしておきますが、本稿は「日韓の草の根交流」や「韓流ファン」それ自体を批判するものではありません。私が批判したいのは、日本のマスメディアや国民が、日本による朝鮮の植民地支配という負の歴史を忘れるために「日韓の…

旭日旗の何が問題か

mainichi.jp 日本政府(外務省)の主張*1は、要するに「旭日旗は日本文化であって、また、自衛隊旗として国際社会においても広く受け入れられているのだから、韓国が批判しなければ、そもそも問題視されるようなものではない」というものです。そして、日本…

変えるべきなのは憲法9条ではなく、憲法9条を蔑ろにする現状である。

憲法9条の護持を、「現実を見ない空虚なもの」だと冷笑する人が少なくありません。彼らの言う「現実」とは、「日本が中国や北朝鮮の軍事的脅威にさらされている」というものです。たしかに、日本のマスメディアが報じる「現実」は、そのようなものでしょう…

天皇制反対を冷笑する「リベラル」派の誤解

昨今、天皇制に反対する人を冷笑するような「リベラル」派の言説を見聞することが、しばしばあります。すなわち、天皇制反対を訴えることを、「天皇制を支持する国民が多数という現実から目を背け、己の信条に固執する教条主義的な態度」だというのです。 お…

チェジュの『うまいもの』たち

yukito-ashibe.hatenablog.com 前エントリでは、私が済州島の旅で食べた『うまいもの』として、東門市場の新鮮な刺身をご紹介しました。しかし、チェジュの『うまいもの』は、もちろん刺身だけではありません。そこで、本稿では、前エントリの補足として、東…

憧れの島の、チェジュブルー。

韓国の제주도(チェジュ(済州)島)は、私にとって子供の頃からの憧れの島でした。もっとも、子供の頃の私にとって、제주도は「済州島」であり、それは「チェジュ島」ではなく「さいしゅうとう」でした。そんな憧れの島・제주도が、私にとって「済州島」か…

「護憲」とは、つまりは人権を守ることである。

www.jcp.or.jp 「護憲」という言葉は、「改憲」という言葉との対比で「憲法を変えないこと」という意味で使われることが多いです。たしかに、例えば憲法9条に関していえば、「憲法を変えないこと」が「護憲」であることに間違いはありません。しかし、それ…

「逮捕」に関する誤解について

逮捕されないのは「上級国民だから」なのか? 池袋と神戸の暴走事故、違いがネットで物議。その背景は https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/kobe-ikebukuro 「逮捕」は、刑罰ではなく、あくまでも捜査手続のひとつであって、「逮捕の必要」(逃亡または…

「今上天皇はいい人です」と、リベラル派も言うけれど……。

www.asahi.com いわゆる「保守派」だけでなく「リベラル派」の中にも、「今上天皇はいい人だ」と言う人が少なくありません。そして、そのような人は、しばしば「天皇制そのものが悪いのではない、安倍のような悪人が天皇を政治利用するのが悪いのだ」と言い…

梶村秀樹『排外主義克服のための朝鮮史』を今こそ読むべき理由

honto.jp 1970年代に行われた梶村秀樹*1先生(1935-1989)の講演記録を一冊にまとめた『排外主義克服のための朝鮮史』は、朝鮮史の知識を網羅的に解説したものでありませんし、梶村先生が依って立つ学説の中には、最近の研究によってすでに否定されている見…

「平成の時代は戦争がなかった」という欺瞞

www.asahi.com 「平成の時代は戦争がなかったということが、一番重要だと思います。それは、日本国民が戦争の悲惨さを真剣に考え、対応してきたからだと思います」という天皇明仁氏の言葉に共感する日本国民は、おそらく少なくないでしょう。 たしかに、「平…

マイノリティの個人の尊厳は、ヘイトスピーチ対策法で初めて保障されるものではない。

はじめにお断りしておきますが、私はヘイトスピーチ対策法が不要だと言いたいのではありません。私が本稿で言いたいのは、マイノリティの個人の尊厳を保障するのは、法律ではなく憲法である、ということです。 もしかすると、「マイノリティの個人の尊厳は、…

差別が許される「理由」など、そもそもない。

www.asahi.com 朝鮮学校の授業料無償化除外について、安倍政権は「拉致問題の進展も見られず、(朝鮮学校が)朝鮮総連と密接な関係がある」ことを理由に正当化しています*1。おそらく、日本国民の多くはそれを「もっともな理由」だと感じているでしょう。 し…

「暴力を表現すること」と「暴力で表現すること」は、別のものである。

「セックスや暴力を描写した表現の自由を守るために、差別煽動表現は規制されてはならない」と言う人がいます。 「セックスや暴力を描写した表現の自由」が守られるべきであるのは、たしかにその通りです。しかし、だからといって、「差別煽動表現は規制され…

「嫌韓」という言葉を使うのは、もうやめよう。

はじめにお断りしておきますが、「『嫌韓』という言葉を使うのは、もうやめよう」というのは、「嫌韓」と呼ばれる日本人の態度や言動を批判してはならないということではありません。また、本稿で言いたいことは「『嫌韓』より『好韓』を」でもありません。…