あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

「謝罪」と「赦し」は、「過去を水に流す」ためのものではない。

www.asahi.com 「日本は戦争で傷つけた人たちや植民地にしていた方々に対し、『もう、これ以上謝らなくてもいい』と言ってくれるまで、心の中で謝罪する気持ちを持ち続けなければならない」という、この鳩山氏の持論に共感する日本のリベラル派は、おそらく…

民主主義は、器より中身が大事だ。

「我が国は成熟した民主主義の国だ」、そう信じて疑わない日本国民は、おそらく少なくないでしょう。 たしかに、日本は政治体制として議会制民主主義を採用しています。しかし、はたしてそれだけで「成熟した民主主義」であるといえるでしょうか。 議会制民…

「日韓の草の根交流」は、歴史を忘れるためのものではない。

www.asahi.com まずはじめにお断りしておきますが、本稿は「日韓の草の根交流」や「韓流ファン」それ自体を批判するものではありません。私が批判したいのは、日本のマスメディアや国民が、日本による朝鮮の植民地支配という負の歴史を忘れるために「日韓の…

旭日旗の何が問題か

mainichi.jp 日本政府(外務省)の主張*1は、要するに「旭日旗は日本文化であって、また、自衛隊旗として国際社会においても広く受け入れられているのだから、韓国が批判しなければ、そもそも問題視されるようなものではない」というものです。そして、日本…

変えるべきなのは憲法9条ではなく、憲法9条を蔑ろにする現状である。

憲法9条の護持を、「現実を見ない空虚なもの」だと冷笑する人が少なくありません。彼らの言う「現実」とは、「日本が中国や北朝鮮の軍事的脅威にさらされている」というものです。たしかに、日本のマスメディアが報じる「現実」は、そのようなものでしょう…

天皇制反対を冷笑する「リベラル」派の誤解

昨今、天皇制に反対する人を冷笑するような「リベラル」派の言説を見聞することが、しばしばあります。すなわち、天皇制反対を訴えることを、「天皇制を支持する国民が多数という現実から目を背け、己の信条に固執する教条主義的な態度」だというのです。 お…

チェジュの『うまいもの』たち

yukito-ashibe.hatenablog.com 前エントリでは、私が済州島の旅で食べた『うまいもの』として、東門市場の新鮮な刺身をご紹介しました。しかし、チェジュの『うまいもの』は、もちろん刺身だけではありません。そこで、本稿では、前エントリの補足として、東…

憧れの島の、チェジュブルー。

韓国の제주도(チェジュ(済州)島)は、私にとって子供の頃からの憧れの島でした。もっとも、子供の頃の私にとって、제주도は「済州島」であり、それは「チェジュ島」ではなく「さいしゅうとう」でした。そんな憧れの島・제주도が、私にとって「済州島」か…

「護憲」とは、つまりは人権を守ることである。

www.jcp.or.jp 「護憲」という言葉は、「改憲」という言葉との対比で「憲法を変えないこと」という意味で使われることが多いです。たしかに、例えば憲法9条に関していえば、「憲法を変えないこと」が「護憲」であることに間違いはありません。しかし、それ…

「逮捕」に関する誤解について

逮捕されないのは「上級国民だから」なのか? 池袋と神戸の暴走事故、違いがネットで物議。その背景は https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/kobe-ikebukuro 「逮捕」は、刑罰ではなく、あくまでも捜査手続のひとつであって、「逮捕の必要」(逃亡または…

「今上天皇はいい人です」と、リベラル派も言うけれど……。

www.asahi.com いわゆる「保守派」だけでなく「リベラル派」の中にも、「今上天皇はいい人だ」と言う人が少なくありません。そして、そのような人は、しばしば「天皇制そのものが悪いのではない、安倍のような悪人が天皇を政治利用するのが悪いのだ」と言い…

梶村秀樹『排外主義克服のための朝鮮史』を今こそ読むべき理由

honto.jp 1970年代に行われた梶村秀樹*1先生(1935-1989)の講演記録を一冊にまとめた『排外主義克服のための朝鮮史』は、朝鮮史の知識を網羅的に解説したものでありませんし、梶村先生が依って立つ学説の中には、最近の研究によってすでに否定されている見…

「平成の時代は戦争がなかった」という欺瞞

www.asahi.com 「平成の時代は戦争がなかったということが、一番重要だと思います。それは、日本国民が戦争の悲惨さを真剣に考え、対応してきたからだと思います」という天皇明仁氏の言葉に共感する日本国民は、おそらく少なくないでしょう。 たしかに、「平…

マイノリティの個人の尊厳は、ヘイトスピーチ対策法で初めて保障されるものではない。

はじめにお断りしておきますが、私はヘイトスピーチ対策法が不要だと言いたいのではありません。私が本稿で言いたいのは、マイノリティの個人の尊厳を保障するのは、法律ではなく憲法である、ということです。 もしかすると、「マイノリティの個人の尊厳は、…

差別が許される「理由」など、そもそもない。

www.asahi.com 朝鮮学校の授業料無償化除外について、安倍政権は「拉致問題の進展も見られず、(朝鮮学校が)朝鮮総連と密接な関係がある」ことを理由に正当化しています*1。おそらく、日本国民の多くはそれを「もっともな理由」だと感じているでしょう。 し…

「暴力を表現すること」と「暴力で表現すること」は、別のものである。

「セックスや暴力を描写した表現の自由を守るために、差別煽動表現は規制されてはならない」と言う人がいます。 「セックスや暴力を描写した表現の自由」が守られるべきであるのは、たしかにその通りです。しかし、だからといって、「差別煽動表現は規制され…

「嫌韓」という言葉を使うのは、もうやめよう。

はじめにお断りしておきますが、「『嫌韓』という言葉を使うのは、もうやめよう」というのは、「嫌韓」と呼ばれる日本人の態度や言動を批判してはならないということではありません。また、本稿で言いたいことは「『嫌韓』より『好韓』を」でもありません。…

本当に必要なのは、「復興」ではなく「再生」である。

www.nikkei.com 東日本大震災から8年。政府や国民にとっての最大の関心事は、やはり「震災からの復興」でしょう。 しかしながら、私は当たり前のように使われる「復興」という言葉に、いささか疑問をもっています。つまり、被災地にとって本当に必要なのは…

「日本はいつまで謝罪し、反省し続けなければならないのか」という問いは、ナンセンスである。

日帝による侵略戦争や植民地支配に関して、日本でしばしば言われるのが「日本はいつまで謝罪し、反省し続けなければならないのか」という言説です。おそらく、このように考えている日本国民は少なくないでしょう。 しかしながら、私が思うに、「日本はいつま…

「三・一運動」から100年を迎えて

今日3月1日は、日帝による植民地支配下の朝鮮の人民が、日帝による植民地支配からの独立を求めて立ち上がった「三・一運動」を記念する日である、「三一節」です。そして、本年2019年は、1919年の「三・一運動」から100年の節目の年です。 「三一節」につ…

「煽動機関」と化した、日本のマスメディアの頽落。

「日本製品買うな」まさかの条例案にソウル市民は… https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000148280.html news.tv-asahi.co.jp テレビ朝日がネット配信しているこの記事、「スーパーJチャンネル」の放送をネット配信用に編集したもので…

外国人参政権の実現は「外国人参政権の実現」ではなく、「完全な民主主義の実現」だ。

「外国人の人権問題」としてよく議論になるテーマの一つが、「永住外国人の参政権」です。これについて1995年2月28日の最高裁判決は、永住外国人の地方参政権に関して「法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講…

韓国国会議長に問われた「戦後民主主義」の欺瞞

www.bloomberg.co.jp 日本軍性奴隷問題について天皇の謝罪を求める文喜相韓国国会議長の発言は、戦後天皇制が戦前天皇制と非連続的なものではないことに鑑みれば(戦後天皇制を戦前天皇制は全く異なるものと考えている人も少なくないでしょうが、戦後天皇制…

マイノリティの人権は、マジョリティからの“ご褒美”ではない。

マイノリティの権利(もっとも、それは単なる権利ではなく人権ですので、以下ではマイノリティの権利=人権であるとして話を進めます。)について、マジョリティはしばしば「マイノリティは権利を認められたければ、多数の共感を得るべきだ」と言います。お…

日本軍性奴隷問題は「国家間の問題」ではない。

どうやら、日本軍性奴隷問題を日本と韓国の「国家間の問題」と捉えている人が少なくないようです。 もっとも、日本のマスメディアの報道に接していれば、そのように捉えてしまうのも無理はないのかもしれません。しかし、「国家間の問題」と捉えるのは、日本…

株式会社FMGによる韓国人スタッフに対する人権侵害に、断固抗議する。

チェジュ航空の日本協力企業「慰安婦後援ブランドのカバン持つな」 | Joongang Ilbo | 中央日報 https://japanese.joins.com/article/641/249641.html この事件、卑劣な、あまりにも卑劣な、人間の尊厳に対する蹂躙です。 韓国・中央日報に記事によれば、空…

「徴用工」は、日帝による植民地支配の問題である。

「徴用工問題」について、「単なる悪徳企業とそれに搾取された労働者の問題なのに、どうして日本政府がこれに介入するのか」といった声がよく聞かれます。たしかに、先般の徴用工訴訟は国家間の紛争ではなく、日本企業とその被害者の間の紛争という民事紛争…

辺野古新基地建設は、「環境保護」と「沖縄の民意」の問題でしかないのだろうか?

mainichi.jp まず、はじめにお断りしておきますが、私は、辺野古新基地建設が「環境保護」と「沖縄の民意」の問題であることを否定するつもりはまったくありません。辺野古の豊かな海を破壊し、「沖縄の民意」を踏みにじる日本政府の暴挙を許せない気持ちは…

「日韓関係」に隠された、「新しい植民地体制」の問題。

japan.hani.co.kr いわゆる「日韓問題」に関してしばしば言われるのが、上掲したハンギョレのコラムで山口二郎・法政大学教授が述べているような「東アジアの平和のためには日韓両国が協力することが不可欠である」という言説です。一見して穏当で“リベラル”…

「徴用工問題」の真の解決に必要な「具体的な解決策」

www.asahi.com 「徴用工問題」について、まず確認しておかねばならないことは、あくまでも加害者は日本企業である、ということです。しかるに、なぜ朝日新聞の牧野愛博氏は、なぜ文在寅大統領が年頭の記者会見で「具体的な解決策」な解決策を示さなかったこ…