あしべの自由帳

芦部ゆきとが言いたいことを書き綴るだけの、そんな「自由帳」です。

韓国国会議長に問われた「戦後民主主義」の欺瞞

www.bloomberg.co.jp 日本軍性奴隷問題について天皇の謝罪を求める文喜相韓国国会議長の発言は、戦後天皇制が戦前天皇制と非連続的なものではないことに鑑みれば(戦後天皇制を戦前天皇制は全く異なるものと考えている人も少なくないでしょうが、戦後天皇制…

マイノリティの人権は、マジョリティからの“ご褒美”ではない。

マイノリティの権利(もっとも、それは単なる権利ではなく人権ですので、以下ではマイノリティの権利=人権であるとして話を進めます。)について、マジョリティはしばしば「マイノリティは権利を認められたければ、多数の共感を得るべきだ」と言います。お…

日本軍性奴隷問題は「国家間の問題」ではない。

どうやら、日本軍性奴隷問題を日本と韓国の「国家間の問題」と捉えている人が少なくないようです。 もっとも、日本のマスメディアの報道に接していれば、そのように捉えてしまうのも無理はないのかもしれません。しかし、「国家間の問題」と捉えるのは、日本…

株式会社FMGによる韓国人スタッフに対する人権侵害に、断固抗議する。

チェジュ航空の日本協力企業「慰安婦後援ブランドのカバン持つな」 | Joongang Ilbo | 中央日報 https://japanese.joins.com/article/641/249641.html この事件、卑劣な、あまりにも卑劣な、人間の尊厳に対する蹂躙です。 韓国・中央日報に記事によれば、空…

「徴用工」は、日帝による植民地支配の問題である。

「徴用工問題」について、「単なる悪徳企業とそれに搾取された労働者の問題なのに、どうして日本政府がこれに介入するのか」といった声がよく聞かれます。たしかに、先般の徴用工訴訟は国家間の紛争ではなく、日本企業とその被害者の間の紛争という民事紛争…

辺野古新基地建設は、「環境保護」と「沖縄の民意」の問題でしかないのだろうか?

mainichi.jp まず、はじめにお断りしておきますが、私は、辺野古新基地建設が「環境保護」と「沖縄の民意」の問題であることを否定するつもりはまったくありません。辺野古の豊かな海を破壊し、「沖縄の民意」を踏みにじる日本政府の暴挙を許せない気持ちは…

「日韓関係」に隠された、「新しい植民地体制」の問題。

japan.hani.co.kr いわゆる「日韓問題」に関してしばしば言われるのが、上掲したハンギョレのコラムで山口二郎・法政大学教授が述べているような「東アジアの平和のためには日韓両国が協力することが不可欠である」という言説です。一見して穏当で“リベラル”…

「徴用工問題」の真の解決に必要な「具体的な解決策」

www.asahi.com 「徴用工問題」について、まず確認しておかねばならないことは、あくまでも加害者は日本企業である、ということです。しかるに、なぜ朝日新聞の牧野愛博氏は、なぜ文在寅大統領が年頭の記者会見で「具体的な解決策」な解決策を示さなかったこ…

「レーダー照射問題」は、ほかならぬ日本自身の問題である。

[コラム]韓日間レーダー照射論争の自画像 : 社説・コラム : hankyoreh japan 日本では、昨年の暮れから連日のように報道されている「レーダー照射問題」。この問題に関する日本国民の関心は、おそらく「日本が正しくて、韓国が間違っている」かどうかとい…

「政治の話」ではなく、「人権の話」だ。

www.nikkan-gendai.com そもそも、「芸能人は政治的発言をしてはならない」というのがどうかと思いますが、それはさておき、私は辺野古新基地建設問題を「政治の問題」と捉えることに、どうしても違和感を覚えます。 辞書的な定義によれば、「政治」とは「あ…

米軍辺野古新基地建設は、“民意”の問題ではなく人権の問題である。

ryukyushimpo.jp まず、はじめにお断りしておきますが、私は沖縄県民の“民意”を無視した日本政府の暴挙を、決して擁護するつもりはありません。 しかしながら、米軍辺野古新基地建設を“民意”の問題として議論することには、どうしても違和感を覚えてしまいま…

日本の「負の歴史」の問題は、政治や外交の問題ではない。

「日本人」のなかには、日本による侵略や植民地支配といった日本の「負の歴史」の問題を、政治や外交の問題だと考えている人が少なくないようです。そして、政治や外交の問題であるから、自分には関係のないことだと彼らは考えているようです。 しかし、私は…

「表現の自由」は、なぜ人権として憲法で保障されているか。

「表現の自由」が人権として日本国憲法で保障されていることは、多くの人の知るところだと思います。 それでは、なぜ「表現の自由」は、人権として憲法で保障されているのでしょうか。それは、単に「自由」だから保障されているのではありません。人権として…

日帝強制動員歴史館を見学しました。

過日、韓国の釜山を旅した私は、国立日帝強制動員歴史館*1を見学しました。 ご存知のように、昨今の日本では、日帝による加害の歴史を正当化する歴史修正主義が大手を振ってまかり通っています。 先般の徴用工訴訟判決に関しても、安倍首相は「徴用工でなく…

「韓国大法院の判決は請求権協定に反する」という日本政府の主張は、どこが間違っているか。

ご存知のように、先般韓国大法院が出した徴用工裁判の判決に関して、日本政府は「韓国大法院の判決は、日韓請求権協定に明らかに反する」と主張しています*1。そして、日本の多くのマスメディアも国民も、政府の主張を疑おうともせず「韓国大法院の判決は、…

「ヒロシマ・ナガサキ」は、「忘れる」ためのものではない。

[社説]BTS騒ぎに映った韓日関係の悲しい姿 : 社説・コラム : hankyoreh japan 防弾少年団(BTS)のメンバーが着用していたTシャツが原爆投下を正当化するものだというのは誤解(というよりも、むしろ曲解)ですが、しかし、この問題の背景に韓国に…

徴用工訴訟判決をめぐる問題について

「徴用工訴訟判決をめぐる問題」を問うと、おそらく日本国民の多くは「(韓国大法院が出した)判決そのものに問題がある」と答えるでしょう。そして、安倍首相や河野外相に倣って「国際法違反だ」と言うかもしれません。事実、日本では安倍首相の「今般の判…

徴用工訴訟判決と、日本の“リベラル”メディアの終焉。

www.asahi.com 朝日新聞のこの社説ですが、徴用工や日本軍性奴隷被害者といった日帝による植民地支配の被害者に対する抑圧の上に成り立ってきた、新植民地主義的な「日韓関係」が維持できなくことばかり憂慮し、被害者の人権救済など「日韓関係」の維持に比…

差別は「人間の本性」の問題ではない

「差別は人間の本性に根ざす現象なのであるから、差別があるのは仕方ないことだ」と言う人がいます。 たしかに、人間誰しも「差別心」を抱いたことは一度ならずともあるでしょう。しかし、差別を「人間の本性」の問題と捉え、「差別があるのは仕方ないことだ…

ヘイトスピーチを正当化する「詭弁」について

ヘイトスピーチ規制に関して、規制反対派の中には「少数者の権利を守るものは、多数決によっても侵害し得ない『表現の自由』以外にはなく、マイノリティーこそ『表現の自由』を大事にすべきである(から、ヘイトスピーチを規制すべきではない)」ということ…

フジテレビと法務省入国管理局による悪質な人種・民族差別扇動に断固抗議する

www.asahi.com フジテレビ系で6日夜に放送された「タイキョの瞬間!密着24時」は、国家権力に迎合するマスメディアと国家権力のいわば「共犯関係」による、悪質極まりない人種・民族差別煽動にほかなりません。 案の定フジテレビは、「取材に基づいた事実を…

歴史を忘れた「日韓関係」に未来はない

www.asahi.com 朝日新聞のこの社説は、一口で言うと、非対称な「どっちもどっち論」で「問題の本質」をはぐらかす、(朝日新聞らしいといえば朝日新聞らしい)浅薄な社説です。 たしかに、この社説も、「『過去の直視』を日本が怠り……」と、日本の責められる…

高橋哲哉教授の「米軍基地引き取り論」への疑問

「なぜ「県外移設」=基地引き取りなのか」東京大学教授・高橋 哲哉 | 特集/混迷する世界への視座 沖縄への異常な基地偏在が「沖縄差別」であることについては、もちろん私も異論はありませんし、私自身が構造的には「差別している側」の人間であることは…

「国民性」という概念を用いて「日本における差別」を語ることの危うさ

日本社会に差別が蔓延する理由として、「国民性」という概念を持ち出す人がいます。 おそらく、それに賛同する人も少なくないでしょう。 しかし、私はそのように「国民性」という概念を安易に持ち出すことには賛同できません。思うに、そこでいう「国民性」…

独立紀念館で考えたこと

過日、韓国を旅した私は、天安にある独立紀念館を訪問しました。 独立紀念館は、日本ではしばしば「(韓国国民の)ナショナリズム高揚のための反日施設」だなどと評されます。 もちろん、国立博物館に準ずる施設ですから、「ナショナリズム高揚」的な要素が…

ヘイトアクションは、「日本の恥」だから許されないのではない。

日本の団体が台湾の慰安婦像に乱暴 国民党議員、日台交流協会前で抗議 | 政治 | 中央社フォーカス台湾 日本の保守団体メンバーによる、この卑劣な行為に対しては、日本でも少なからず非難の声が上がっています。しかしながら、その多くが「日本の恥である」…

「元ネット右翼」のあなたへ

「私がネトウヨになったのは、外国人の権利を主張するばかりで日本人のために権利を主張してくれない左翼のせいだ」と言う、元「ネット右翼」の人がいます。どうやら、そのような言い訳に共感し、左翼に反省を求めるリベラル人士も少なくないようです。 もち…

9月、千葉の路上で

9月1日は、日本では「防災の日」と定められています。これは、1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんだものです。 ご存知のように、1923年9月1日に発生した関東大震災では、多くの命が奪われました。しかし、多くの命を奪ったのは、決して天災だけ…

「本当の保守」論について

最近、巷で「本当の保守」という言葉をよく見聞きします。それは、安倍政権の支持者よりも、むしろ「反安倍政権」の人の口からよく聞かれる言葉であると思います。 もちろん、安倍政権に対する私のスタンスは「反安倍」です。しかし、それ以前に左翼である私…

語り継ぐべき戦争の記憶

明日8月15日は、アジア太平洋戦争における日本の「敗戦記念日」です。毎年この日が近づくと、さまざまなところで「戦争の記憶」が語られます。その趣旨は、悲惨な戦争の記憶を後世に語り継ぐことで、戦争の悲劇を二度と繰り返さない、ということのようです…